June 2011

「北海道だからこそ、考えられること」 1/3

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ARCHITECTURE DECEMBER 2009  提供:建築学生同盟 北海道組

北海道をベースに活動する若手建築家達とともに、それぞれの活動報告とコンセプトを伺ったうえで、北海道で考える建築の固有性や可能性を議論した。以下はその記録の抜粋である。
司会=藤村龍至
出演=五十嵐淳+久野浩志+佐々木夕介+関口聡美+高木貴間+堀尾浩


gl:日常性と物語性

——glのキーワードは「日常性」と「物語性」だと思いました。「日常」の反意語は「非日常」で、例えば篠原さんが非日常性を指向するのと対照的に坂本さんが日常性を指向されてきたわけです。ただ、お二人が「日常性にこだわる」という時に、「物語性」を表現することとはどう繋がるのでしょう。

gl佐々木:僕らは「日常の向こう側にある日常」みたいなところを探求しています。たとえばダイニングテーブルの慣習的なサイズは1200×800くらいですが、あるプロジェクトでは、スケールアウトした大きなテーブルをつくることで、その周りに様々な居場所をつくろうとしている。テーブルという形式は変えずにスケールだけを動かしてみることで、新しい日常を描けるのではないか。

gl関口:私たちは「ウォーリーを探せ」とか、ジャック・タチの「プレイタイム」のような風景が面白いと思っているのですが、こうした物語は「日常」っていう土台で語られているからこそ面白いんだというのも分かってきました。

gl佐々木:「ウォーリーを探せ」や「プレイタイム」は、主人公が前面に出ない物語になっている。建築はつくる人も使う人もいるんですけれども、使う人だけを主人公にしているとまずいのではないかという意識があります。

——なるほど、「主人公のいない物語性」が日常性と繋がっているんですね。


もう一つの家 提供:gl(佐々木夕介+関口聡美)


高木貴間:説明不要なもの

——他方で高木さんは「家形は説明不要なまでに馴染んだものである」とおっしゃるんですが、その点は日常性の観点からも非常に納得できるんですけども、内部空間については住宅らしからぬスケールのような気もします。

高木:どんな子供でも家型の絵を描けば、そこに室内と室外があることが説明しないでも理解できますよね。「House K」は家型を、室内と室外を自明にする記号として扱っています。だから馴染みのある日常的な家型というよりは、非日常化した記号としてとらえました。また、建築をつくる時の想いとして、クライアントからどんな要望がきても成立するような原理みたいなものをつくりたいと思っています。例えばそれが住宅でなくても成り立つような、あらゆるプログラムが入ってきても成り立つような、とにかくそういうものでありたいという想いを持っています。ですから、藤村さんが住宅らしからぬスケールだとおっしゃるのはまさにその通りだと思います。


高木貴間:HOUSE K 撮影:矢野紀行



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