#04 門・塔

塔とは本来、仏陀の墓(スツーパ)であり、それが日本に伝わる過程で、木造の高い建物になりました。寺院建築の中で最も目立つ塔は、視覚上の像徴でもあり、伝来以後、その姿と内部の変遷は各時代、各宗派の仏教観をも表すようになります。

塔の見方は、まずこの塔の種類と意味を知ることに始まり、塔全体の姿を楽しむことにあります。塔の姿は、一層目から最上層に向かって屋根の幅が小さくなる比率(逓減率)によって見え方が変わりますが、一般的に古い塔ほど逓減率は大きく、古い塔はどっしりと安定して見え、新しい塔はほっそりと高く見えます。そして、塔各層の軒下には屋根の出を支えるために複雑な組物(くみもの)があって、塔の姿に威厳と豊かさを加えています。また、鎌倉時代以後には建物の部材に装飾的な曲線が入り、室町時代以後にはその曲線が葉や花などの形になって塔を飾ります。