July
2010
特集「『超』表層--表層と深層の関係から」
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- Cover Interview
- 中村竜治「表層を見ないとわ...
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中村竜治「表層をみないとわからないこと」(2/2)


へちま 提供:中村竜治建築設計事務所
表層を見ないとわからないこと
藤村:先日のHODC(「広島2020デザインシャレット」2020年広島オリンピック・パラリンピック招致に向け、若手建築家・デザイナーが即日で提案をまとめ、議論を行うイベント。中村氏のほか、永山祐子、長坂常、藤村龍至など東京の建築家と谷尻誠、小川文象など広島の建築家計15組が参加した)についてはどのように感じましたか。
中村:あのイベントは勉強になりました。「プロモーション」という言葉がすごく大事かなと長坂常さんの話を聞いて思いました。街をどう見せるかという視点についてです。どう見せるかというのは二つ種類があって、意味として見せるか、街そのものを見せるかという二つがあると思います。意味として見せるのは、原爆ドームが手前にあってその向こうにメインスタジアムがあるというような見せ方です。それに対してもう少し街を形として見せるというのは、長坂さんの中洲の先端に何かを作っていくような提案だと面白い街に見えるというようなことです。
藤村:ああいった社会や行政の人に対して直接提案して動かしていくということに関しては地方都市の人の方が長けているなぁと思いましたね。
中村:そうですね、東京ではありえませんね。そんな簡単に行政には近づけませんからね。
藤村: 今回の特集では表層と深層の関係という軸があるのですが、今おっしゃった「意味として見せる/そのものを見せる」という対比は深層/表層の対比とパラレルです。表層とは一歩引いた時の形がどう見えるかという視点ですが、もう一方に、意味を見出していく深層に対するアプローチがあると仮定すると、東京の建築家の作品には表層的であるということが良くも悪くも特徴としてあると思います。少し前まではそれは建築家にとってコンプレックスであったかと思いますが、今はもう少しポジティブに捉えていくロールモデルもあるかと思います。
そこで中村さんにお聞きしたいのですが、2000年頃のスーパーフラット周辺の議論はどのように捉えていたのでしょう。2000年頃と言いますと中村さんは青木事務所で川崎の住宅を担当していた頃でしょうか。
中村:ちょうど入所したくらいでした。表層という意味では、コンクリートの形をどういう形にするかという、以前の分脈だと単なる造形遊びという思考があったと思いますが、その時は、真剣にコンクリートがどういう形をしていればいいのかということをずっと試行錯誤していて、それはある意味で表層的な行為だったかなと。どういう形をしていたら突出しないか、馴染むかというスタディです。普通はやらないですよね。
藤村:今の姿勢と連続している部分もあるわけですね。
中村:そうですね。ちゃんと見ていくと、真実らしきものがあるというか。造形操作というと割と現実離れのようなイメージがあるけれど、詳細に観察していくとそれ自体が真実であるというか。
藤村:形には形のロジックがあって、それ自体は探れるものであって、意味は語れないかもしれないけれど、その形が馴染んでいるかどうかは見ればわかるということですね。

とうもろこし畑 提供:中村竜治建築設計事務所
中村:街並みという考え方は昔からあったもので、割とルールを作って合わせていくようなものだと思うんです。その住宅をやっていたときは全く違う思考で、住宅と全然違うものを作ることで違和感を消すという青木さんの思考には驚きました。
藤村:当時青木さんは土木について言及されていて、土木構築物には意外と違和感を感じないというようなことをおっしゃっていました。
中村:そうですね。「土木構造物に違和感を感じない」というのは発見だったと思うんですね。感情的に考えると橋や高速道路は嫌ですが、すごく冷静になってみると気にならない、ということは発見だったと思います。表層を見ないとわからなかったことかなと。
藤村:海外でこのような話をされることはありますか。
中村;まだないですね、今度香港へ行くかもしれないですが。
藤村:海外で中村さんの思考がどのように捉えられるかは楽しみですね。形に対する考えがすごく日本的だと思うんです。
中村:海外の「かたち」というのはまた違うかなと。
藤村:コンピュータとかたちというと、1990年代のグレッグ・リンに代表されるブロッブ・アーキテクチャ以降、プログラミングを駆使して造形する建築家も多いですが、今の日本の建築家の表現はそれとは違って、「配列複製」ですよね。中村さんも海外のグループ展などに出展されるとそういう特徴が際立ってくるかなと思います。
2010年6月16日 中村竜治建築設計事務所にて

中村竜治
1972年長野県生まれ。東京藝術大学大学院修了後、青木淳建築計画事務所を経て、中村竜治建築設計事務所主宰。
「建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション 」展
会期:2010年4月29日(木・祝)~ 8月8日(日)
開館時間:午前10時から午後5時まで 金曜日は午後8時まで (入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(5月3日、7月19日は開館)、5月6日(木)、7月20日(火)
会場:東京国立近代美術館 企画展ギャラリー(1階)
アクセス:東京メトロ東西線竹橋駅1b出口 徒歩3分
〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
観覧料:(所蔵作品展を含む)
一般850(600)円/大学生450(250)円
高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。( )内は20名以上の団体料金(いずれも消費税込)
お問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
HP http://www.momat.go.jp
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