September
2010
特集:超都市からの建築家たち
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- 藤本壮介「武蔵野美術大学図...
- Interview
- dot architects「『インクルーシブ・アーキ...
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阪根正行「見え隠れする〈超〉都市」(1/3)


展覧会「Architects from HYPER VILLAGE」会場風景 提供:藤村龍至建築設計事務所
《Architects from HYPER VILLAGE展レビュー》
はじめに(吉井仁実さんとの対話から)
ーー 乾久美子さんの展示作品は、エスキス模型を並べただけですけど、あの模型でさえアート作品としての価値があるのですか?
吉井 もちろんです。彼女の作品はコンセプトがしっかりしているでしょ。だから完成していない、制作プロセスの模型にだってちゃんと価値があります。
建築展のレビューをこのような会話で始めることに少々後ろめたさもありますが、これは会場で耳にした最もショッキングな一言でした。確かに現代美術のギャラリーで建築展が開催されることに興味はありましたが、昨今なかなか展示の機会を与えられない若手建築家に対して、ボランティアのような気持ちで場所を提供してあげようという吉井仁実さんのご厚意だとばかり思っていました。しかし、この一言から感じられたのは、すぐには結果が出ないにしても、吉井さんはギャラリストとして、若手の建築家ならびにその作品に可能性を見出しているということです。
村上隆さんや奈良美智さんといったアーティストの台頭とともに、ここhiromiyoshiiのオーナーである吉井仁実さんや小山登美夫さんといったギャラリストたちの活躍が注目されています。私も吉井さんとの対話に刺激を受け、彼らの著書を読みましたが、物の見方、考え方が非常に興味深い。例えば吉井さんは作品・アーティストを見る判断基準として次の三つをあげています。(※1)
1.作品がただ美しいというだけではなく、そのアーティストに将来的な広がりが見えるかどうか
2.美術史の流れや、自分が依って立つ社会への問題意識に基づいて、新しいチャレンジに向かっているかということ
3.自分自身の社会的な立ち位置、アイデンティティに対する深い眼差し
また小山さんは次の四つをあげています。(※2)
1.制作を続けていくモチベーションを確実に持っているか
2.既存の枠組みを超えようという意志が感じられるか
3.時代と自分に真摯に向き合っているか
4.「外」へとつながる要素が作品にあらわれているか
言われてみればもっともなことばかりですが、さて建築界でこのような判断が有効に機能していると言えるでしょうか。建築の場合、学校教育はそれなりに確立していますが、その後建築家として独り立ちするまでのプロセスは各自の裁量に任されています。つまり、このような第三者的な判断や批評は皆無です。
吉井さんや小山さんといったギャラリストが示した物の見方は、何も作家や建築家の育成という点においてのみ有効なのではなく、作品自体が持つ力を判断する本質的な意味でも重要です。そういった意味でも、今回の展覧会は画期的です。建築界に新たな息吹を与えることでしょう。
出展作品全てが吉井さんの眼にかなっているかは定かではありませんが、オープニングのスピーチを聴く限り、吉井さんはしっかりとした手応えを感じているようです。建築の文脈だけではなく、ギャラリストという視点でも作品を鑑賞すると面白いでしょう。

展覧会「Architects from HYPER VILLAGE」オープニング・レセプション会場風景 提供:藤村龍至建築設計事務所
a. 作品鑑賞
ーー 美術館に行くと、ほとんどの場合、丁寧な解説や音声ガイドが付いていますが、まじめな方となると、実直にそうした解説を読みながら会場を回っている姿をよく見かけます。売店で買った展覧会カタログを読んでから、実際の展示を見て回るという方もいるそうです。しかし私は、まず解説を見ないで、一通り展示作品をご覧になることをお薦めします。そして、その中でどうしても気になる作品があれば、後から解説を参照してほしいと思います。私が美術館を訪れたときはいつもそうしています。情報に染まらずに作品に接することが、豊かな感性を生んだり、想像力を湧き立たせたりするのです。(※3)
吉井さんの著書からの引用ですが、これに倣って観ていきます。
《ファーストインプレッション》
01.乾久美子 ーー 日影規制と建築の形態デザインの連動。ボリューム操作、光空間のセンス抜群
02.五十嵐淳 ーー 実施作品の模型。そのまま。
03.大西麻貴 ーー 螺旋を平面展開? なるほど、空間のコンセプトがすごくよく分かる。
04.木村松本 ーー 模型がすごく小さい。インスタレーション。
05.垣内光司 ーー 木の質感がよい。カッコいい。
06.SPACESPACE ーー トラフィックペイントがちゃんと空間になっている!なるほど!
07.徳山知永 ーー 意味は分からないけど、カッコいい。
08.dot architects ーー ハンドメイド作品、道具まで自作?
09.中村竜治 ーー 同じボリュームを反復。東近美の作品(「とうもろこし畑」)がどうやったら建築になるのかと思ったけど、なるほど。
10.中山英之 ーー センス抜群!テーブルが屋根になり構造体にもなる。
11.能作文徳 ーー 模型と矩計図。オーソドックスな展示だが空間がよく表現できている。
12.長谷川豪 ーー 住宅密集地一区画。均質なボリュームをどう豊かにするかがテーマ?
13.藤本壮介 ーー オブジェ。ギャラリーの展示を意識した作品。
14.藤村龍至 ーー 10万人が住める都市計画。一筆書きの都市計画。
15.松岡聡田村裕希 ーー 写真ではあるが、、、何を表現しているのか?
16.満田衛資 ーー 対話しながら作る。規則的な構造体。そのなかに変化を許容。
17.森田一弥 ーー 左官職人が発想した建築。けっこう理にかなっている。
18.吉村靖孝 ーー 自作を撮った写真作品。引きで撮った風景写真と近くから撮った部分写真との対比。
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