July 2010

山崎泰寛「『超』表層の深層と実践」

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「建築はどこにあるの?」展における中村竜治氏の作品「とうもろこし畑」には、たくさんの距離が内包されていると感じた。この視線の向こうと、あの部分の焦点が、その作品を介して重層していく。小山泰介氏の作品を前にして、見れば見るほど一体自分が何を見ているのかが揺さぶられる感覚と、背中合わせなのではないかと思う。中村氏と小山氏の作品に共通するのは、一見微細な差異に過ぎないものごとを徹底的に思考の対象とすることで、表現がどこか遠くの星の世界の出来事に思えるほどに突き抜けてしまっている点なのかもしれない。生み出される作品と同様に魅力的な(個人的な)言葉で、二人はインタビューに答えてくれた。

そういえば、近美の展覧会では、一定の条件さえクリアすれば、作品を写真に収め、ブログなどにアップすることが許されている。来場者がケータイやデジカメなどで自らのストレージに記録を残していく様子を指して、この展覧会のもっとも表層的な表象だと言うことができるのかもしれない。そうやって作品の「ありさま」が個人的に記録され、社会的に複製されていくことそのものが、「どこ」といって名指すべき建築を、展覧会場から別のサイトへと転写するからだ。この特集がアップされる時点でもまだ、その「超」表層な試みは8月8日まで継続中である。小山氏の語る「グレーゾーンのバリエーションを見せる」メディアとして、写真を経験することが可能だろう。

また、小山氏の個展「Melting Rainbows / Starry」は7月11日まで、東京・恵比寿のG/P galleryにて開催中だ。後日公開される二本のテキストは、2010年の現時点の表現を歴史化する絶好の機会になるだろう。二つの展覧会を同時期に経験することで、その理解はますます深まる。確実に言えるのは、このチャンスを逃す手はないということだ。

山崎泰寛

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