September
2010
特集:超都市からの建築家たち
- Introduction
- 藤村龍至「“超都市”からの...
- Cover Interview
- 藤本壮介「武蔵野美術大学図...
- Interview
- dot architects「『インクルーシブ・アーキ...
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- 山崎泰寛「『超都市』の住民...
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dot architects「『インクルーシブ・アーキテクチャー』という思想」(1/3)


Inclusive Architecture 提供:dot architects
今回、「超都市からの建築家たち」展にて出展された「インクルーシブ・アーキテクチャー」は、障がい者とともに試行錯誤しつつ道具や材料をつくり、それをもとにシェルターを作って都市空間を一時的に自分たちの場所に変えてしまうという、とても社会的なプロジェクトであると同時に、「使い手と作り手の境界を取り除く」というdot architectsの思想がよく反映されたプロジェクトでもある。ここでは、同プロジェクトを中心に、3人の思考の断面、特に進行中の「No.00」および都市へのアプローチについて、話を伺うことにした。
聞き手=藤村龍至
障がい者の方々との共同作業から
藤村 今回ご出展頂いた「インクルーシブ・アーキテクチャー」というのはどういう経緯でスタートしたプロジェクトですか。
家成 水野大二郎というデザインに関する研究者がいるんですが、彼がRCA(ロイヤル・カレッジ・オブ・アーツ)に在籍していた頃から「インクルーシブ・デザイン」をテーマに研究していて、「財団法人たんぽぽの家」という奈良にある福祉施設に、実践させてもらえないかと売り込みにいったらしいんですよ。そのうちにファッションだけじゃなくて他のことも同じ企画でやってくれないかという話になって、一緒にやろうかと声を掛けてもらったのが最初ですね。
藤村 これはまず、道具を「たんぽぽの家」の方と制作をしたんですよね。
家成 そうですね。水野さんからは「建築でインクルーシブ・デザインを展開してほしい」と言われたので、どうせなら実際の建築をつくりたいと話し合いました。それで、つくるためには道具が必要、ということで、まず障がい者の方と一緒に道具の検証をしました。はじめはテーブルにざーと道具を並べて、一通り道具の説明を障がい者の方にしました。道具を使ってもらって、どう使いにくいかとか、どうすればもっと使いやすくなるかっていうことを、話し合いながら、その場で、ラピッドプロトタイプみたいなものを20分くらいで、どんどんつくっていきましたね。

「インクルーシブ・デザイン」ワークショップ風景 提供:dot architects
大東 (写真を見ながら)この方は全盲の女性なんですが、積極的に自分でされる方で、自身でも料理されます。ふだんから包丁は持つけど、のこぎりはあまり持ったことがないそうです。のこぎりの刃の部分と柄の部分が離れているのは、僕らは切りやすくて当たり前なんですが、この女性にとっては離れているから使いづらい。そこで刃の上に持つところがあったらいいということで、その場でのこぎりを分解して、つくってみて、また使ってもらって。そうすると今度、直角に切るのがなかなかうまくいかないということで、直角に切れるような補助する道具をサシガネなどを組み合わせて作ってみました。ラピッドタイプをいくつも重ね合わせていくと、やがて一つの行為ができるようになりました。

Useful Tools No,01~11 20100119@tanpopo no ye 提供:dot architects
家成 この方たちは、普段自分でいろいろなものをつくりたいのに、つくる機会を奪われているところがあるんですね。本当はやってもらいたくなくて、自分でやりたいのに、やってもらう環境が周りに整ってしまっている。だから自分たちでつくるっていうことを楽しんでくれてたんですよね。めっちゃウケがよかったんですよ(笑)。
学生が見付けたユニットを使って、シェルターをつくる
藤村 最初は道具の検証で、段ボールのピースは別の機会で作られたということですか。
家成 1回目のWSが終わった後、今売っている道具はとても使いづらいということがわかりました。そして、都市の中にシェルターをつくるのには、段ボールがスーパーマーケットに行けば落ちているので、お金を掛けずつくりやすい材料じゃないかということで、段ボールを使うことに決めました。段ボールをどう組み合わせたらつくり手が割と自由な形をつくれるかを考えました。プラモデル・キットのように、全部指示して、誰がつくっても同じ形、というのは面白くないと考えて、つくり手によってどんどん形を変化できるような仕組みを考えたんですよね。
藤村 モジュールの設計はdotでされたんですね。
家成 そうですね。落ちている段ボールで取れる最大寸法を平均すると、25×50センチくらいは取れそうだということで、水野さんと決めました。
藤村 それを単位に折り曲げながら、例えばこの三角形のユニットをつくっていきますよね。このへんはどのようなスタディがありましたか。
家成 WSで発見しながら考えたのですが、「たんぽぽの家」の障がい者の方と学生10人くらいで、どういった形ができてくるかっていうことを、一日かけて考えていったんですよね。学生たちがいろんな形を編みだしてきて、これはダメそう、あれはいける、とやっていきました。

Inclusive Architecture 提供:dot architects
藤村 いろいろ、ユニットのプロトタイプをつくっていったんですね。その次はどのように続けたんですか。
家成 全部のピースを使って構造にしていく作業ですね。今回展示させてもらっているユニットは、その日のWSで出てきた中では、一番構造的には安定してそうだということで、それを公園につくってみたと。
藤村 これは3つのピースなんですよね。どうつなげているんですか。
大東 このおり方も学生が見つけていってくれたんです。
家成 対角線と中心線で折っているだけなんですね。
藤村 学生は建築系ですか。
大東 建築系ですね。プロダクトの学生もいたかな。
藤村 よく見つけましたね。
家成 異様に三角形に執着する学生がいて。神戸芸工の安慶田君。彼は結構、勘がよくて。三角形は構造的にバランスがとれているし。
藤村 これを都市空間のなかに置いたりされたわけですね。この時は公園の中や分離帯などにつくられたんですか。
家成 これは明治学院大学でWSさせてもらって、15分くらいこんな感じで歩いていたんですよ。それでたまたま交差点で引っかかって、置こうということで撮った写真です。
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