June
2011
特集:北海道に学ぶ
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山崎泰寛「大地のない模型」

五十嵐淳展「状態の構築」 提供:五十嵐淳建築設計
五十嵐淳展「状態の構築」がTOTOギャラリー・間にて開催中だ。その写真を眺めていると、展示されている模型が宙に浮かんでいるかのように見えることに気づく。トップインタビューで述べられているように、「地面があることをイメージしてもらおうと」考えた結果であり、「床をなくすことで下から潜って上を見上げると半地下から見上げた状況を見ることができる」という効果も期待されている。半地下空間で模型の空間をカットしているのも興味深い。凍結深度を考慮し、風除室を設ける北海道の建築を「作品」として表現するにあたって、五十嵐氏の展示は、地面を表現しないことで、かえって地面と密接な関係にあることを教えてくれていると思う。
たとえば私は、「敷地全体を建築化したかった」という久野浩志氏の発言によって、こう思った。もしかしたら北海道以南の日本で建てられる建築が敷地を文字通り平面的で、平滑な、あるいは平坦かつ限定された広がりとして認識しているのかもしれない。それは、五十嵐氏が地面を表現しないことによって、平滑さとは距離を置いた深まりとして、建築と土地の関係を結んでいるように見えることと、あるいは近いのかもしれない。
さて、本文を読むと、北海道建築という言葉が何度か登場する。北海道「の」建築ではなく、北海道建築。同じような言い方を許容する地名はあるだろうか?北海道建築というと、まとまりや「群」を想像させる。表現としてとてもマジカルだ。つくり上げられた造形が似通っているのではもちろんなく、佐々木夕介氏らが言うような土地の持つ「日常」的な条件を、「状態」として見つめ直してきた建築家の実践を、はっきりと「構築」して見せているのではないかと思う。
山崎泰寛