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藤井 亮介

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AARTV vol.4 ustream 公開決定

AARTVの公開編集会議の様子をustream中継いたします。

放送日時 2010年8月28日(土) 15:00-16:00
内容 ART and ARCHITECTURE REVIEW (AAR) の公開編集会議

進行 藤村龍至
カメラ 藤井亮介
出演 藤村龍至+伊庭野大輔+藤井亮介+松島潤平+本瀬あゆみ+刈谷悠三

ゲスト mashcomix

URLは

http://www.ustream.tv/channel/aartv

です。

インストールされた島

瀬戸内国際芸術祭に行ってきました。





実家が香川なので
これまでにも瀬戸内海の島には何度か足を運んだことがありますが、
2日で6つの島を渡るという経験は今回が初めてでした…。


全体的にかなり詰め込んで見たので
「島独特の時間に浸りながらゆっくと見る」という本来の趣旨からは
だいぶかけ離れた見方をしてしまいましたが、
スピードアップしたおかげで全体を俯瞰しながら見れたように思います。





全体としては、作品単位ではなく
「島」単位での記憶がまとめられているような印象を受けました。
短期間で多数の作品を見たので、
それぞれの作品の差異の方に目が行ったということもありますが、
島と島はフェリーでしか渡れないという物理的な制約と、
離島であるがゆえに生まれた各島の文化の独自性が、
作品群と相まって島全体をうまくパッケージングできていたからこそ、
「島」を感じれたのではないかと思います。
つまり歴史や風景といった島そのものが築きあげてきた土台に、
新しい楔が打たれることで全体像がより立体的かつ明瞭に浮かび上がる、
という構図でしょうか。


中でもパッケージングが成功していたな、と思うのが犬島と男木島です。
犬島は御影石や精錬所といった島の歴史や風景に
アートがうまく配置されることで島全体の回遊動線がつくられていたし、
男木島は傾斜地の住宅群や石積みが
作品群と常にセットで経験できるようになっていて、
歴史と現代の経験を往復させるような環境が用意されていたように思います。





ここでふと思い出したのが
『インスタレーションは「インストール」から生まれる』
という山崎泰寛氏の言葉です。
つまり、インスタレーションとは単に作品を設置することではなく、
空間や環境にインストールする行為なのだ、と。
そのためにはOSが何か、スペックに問題はないか、
現行のプラグラムとどのように関連付けをするのか、
といったことを予め検証する必要があり、
これらを十分に考慮したうえでインストールが成功すれば、
空間がバージョンアップされ、新しい環境が立ち上がるのです。


犬島の建築群は
まさに空間のバージョンアップに成功した例だと言えるでしょう。
SANAAの用いた透明・反射の効果と配置・フレーミングという操作は、
自身の建築の見せ方というよりは周辺の環境をいかに書き換えるか、
ということを考えられているように思えました。
光の到達の仕方を少し変える、距離をつくる、部分的に見せる、
これらはすべて外部に対する働きかけであって、
既存の文法の継承と部分的な改変という操作は、
周辺環境も含めたバージョンアップであると言えます。





切断面としての海の存在によって、
各島はガラパゴス化し独自の環境を形成してきました。
今回、それらの島に改めて新しいプログラムがインストールされ、
再びお互いがネットワークで結ばれた結果、
瀬戸内は新たな生態系として変化を遂げようとしています。
遺構となってしまったシステムが現代で再生するためには、
システムをより有機的な状態へと変化させること、
つまりは外部因子も含めた多種の要素が
流動的に振舞うような環境をつくることが求められているのだと思います。


我々はスープの中でスープとなり、スープを飲み、
新たなスープをつくっているようなものなのかもしれません。

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