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「オラファー・エリアソン -あなたが出会うとき-」展
年末に金沢にいってきました。
もちろん目的は金沢21世紀美術館で行なわれている
「オラファー・エリアソン -あなたが出会うとき-」展。
金沢は今回で二回目。
前回は金沢21世紀美術館が出来たばっかりのこれまた年末に車でいったけど、
雪がめちゃめちゃ降って高速でタイヤにチェーンをまいたりと散々な目にあったので、
今回は飛行機でいきました。

金沢駅で友人と待ち合わせ。
ちなみに金沢駅東口のエスカレーターの降口の白い曲面は左官職人の久住有生氏による左官仕事。
めちゃめちゃでかいパネルのような、目地のないヌメッっとした仕上げは左官ならでは。
朝時間があったので、通称「忍者寺」と呼ばれる妙立寺を先に見る。
幕命で三階建てが禁止されていた時代に、外観は二階建てのスケールのまま、
23もの部屋を四階建て七層に詰め込んだ迷路のような建築。
福島のさざえ堂といい、ちゃんとした図面の無かった時代に
このような複雑な構成の建物をどう大工と空間を共有して作ったのか非常に興味深い。
いざ、「オラファー・エリアソン -あなたが出会うとき-」展へ。
オラファー・エリアソンの作品を見るのは3,4年前の原美術館の「影の光」展以来。
その後は作品集などでみるくらいだったがあのときのインパクトがとても大きかったので、
過度に期待しすぎているところがあった気がする。
入口でもらった会場案内図は作品タイトルとその素材のみ。
めちゃめちゃそっけない。
展覧会のタイトルでもある最初の作品「your chance encounter」は中央にライトがあり、
その周りを曲面のパネルが三枚ばらばらに回ることで、
扉を開けたり閉めたりしたときのような光が壁一面に不規則に現れては消える作品。
作品の部屋には解説文などは一切ついていない。
正直最初はなるほど、程度にしか思わず、次の「Room for one colour」がある部屋へ。
一面黄色の蛍光灯で覆われた空間。
美術館で(多分)一番階高が高い空間の天井から、h=2500くらいの高さまで蛍光灯を吊りさげている。
単色の蛍光灯によって空間の中にいる人は色味を失い、白黒写真の中にいるような感覚になる。
これも最初はあまりぱっとは反応できなかったが、
空間の中にたくさん人が入ってきて動き回っているのをみると、非常に楽しくなってくる。
続いて7色の単色ライトが並べられた白い光の空間「Slow-motion shadow in colour」へ。
これもライトの前を人が通過すると影が7色に出来てとても綺麗だが、
ああ、たしかに綺麗だな~といった程度の印象しか最初もてなかった。
周りのお客さんもちょっとみてその7色の自分の影が出来るのを確認する程度。
でもよくよく考えてみるとなにか違和感がある。
なぜ、7色に影が出来るのか。
そもそもライトは7色あるのに何故壁は白いのだろうか。
そうか、7色のライトが壁に集まっているから光が組み合わさって壁が白く光っているのか。
そして人が壁の手前に入ると、ライトの微妙なズレによって白からそのライトの色が引かれ、
七色の影が出来ているのか。
それに気づいた瞬間、作品タイトルと素材のみの会場案内図と作品解説文の不在がすべて合致する。
作品の解説は既にそのタイトルと作品の中に全て明示されているのだ。
ライトやその配線など、一般的には隠そうとする装置をすべてさらけ出し、
その仕組みを開くことで、作品の解説までもその作品の中に包含してしまっている。
その一種の謎解きのような快感を一度でも通過してしまうと、
もう作品を見るのが楽しくてしょうがなくなる。
「Your making things explicit」や「Your water-colour horizon」などはその仕組みが段々わかってくると、本当に感動する。
この数学の問題を解いていて、あるとき急に答えまでの解法が
頭の中でつながったかのような感覚は、とても理系的で、
受験戦争を生き抜いてきた自分にはたまらない快感。
そしてなによりその作品の現象が誰もが共有可能な単純な体験となっているところがすばらしい。
また、オラファーの各部屋のボリュームに対する作品のスケール感のいいこと。
サイズの違うホワイトキューブという展示空間がまるでこの作品群のために作られたかのような気さえしてくる。
あらためてオラファーのスケールに対する感受性に感服。
そう考えていると、やはり最初の作品「your chance encounter」は空間のスケールを
とてもシンプルな装置でとらえ作品としており、一番じっくり、
ぼけーと見ていられる作品だと最後にまた作品に入りなおして認識する。
しかしアート、建築畑ではない人は一体どれだけこの仕組みに理解できたのだろうか。
さっくり作品を通過していく人々を見ているとそんな心配がよぎる。
いや、自分がただ単に作品の理解力が遅いだけかもしれませんが。
でも神戸ビエンナーレで作品をつくってみて思ったが、
結局は作品をみた人が今後の人生で何度か思い出すくらいの印象を与えることが出来れば、
作家としてはそれで十分なのかもしれないとも思う。
その後、白川郷や飛騨高山などをまわり二泊三日で帰宅。
他にもいろいろと書きたいことはありますがこの辺で。
いやぁ、金沢はご飯もめちゃ美味しいし、おすすめです。
というわけでよろしくお願いします。
もちろん目的は金沢21世紀美術館で行なわれている
「オラファー・エリアソン -あなたが出会うとき-」展。
金沢は今回で二回目。
前回は金沢21世紀美術館が出来たばっかりのこれまた年末に車でいったけど、
雪がめちゃめちゃ降って高速でタイヤにチェーンをまいたりと散々な目にあったので、
今回は飛行機でいきました。

金沢駅で友人と待ち合わせ。
ちなみに金沢駅東口のエスカレーターの降口の白い曲面は左官職人の久住有生氏による左官仕事。
めちゃめちゃでかいパネルのような、目地のないヌメッっとした仕上げは左官ならでは。
朝時間があったので、通称「忍者寺」と呼ばれる妙立寺を先に見る。
幕命で三階建てが禁止されていた時代に、外観は二階建てのスケールのまま、
23もの部屋を四階建て七層に詰め込んだ迷路のような建築。
福島のさざえ堂といい、ちゃんとした図面の無かった時代に
このような複雑な構成の建物をどう大工と空間を共有して作ったのか非常に興味深い。
いざ、「オラファー・エリアソン -あなたが出会うとき-」展へ。
オラファー・エリアソンの作品を見るのは3,4年前の原美術館の「影の光」展以来。
その後は作品集などでみるくらいだったがあのときのインパクトがとても大きかったので、
過度に期待しすぎているところがあった気がする。
入口でもらった会場案内図は作品タイトルとその素材のみ。
めちゃめちゃそっけない。
展覧会のタイトルでもある最初の作品「your chance encounter」は中央にライトがあり、
その周りを曲面のパネルが三枚ばらばらに回ることで、
扉を開けたり閉めたりしたときのような光が壁一面に不規則に現れては消える作品。
作品の部屋には解説文などは一切ついていない。
正直最初はなるほど、程度にしか思わず、次の「Room for one colour」がある部屋へ。
一面黄色の蛍光灯で覆われた空間。
美術館で(多分)一番階高が高い空間の天井から、h=2500くらいの高さまで蛍光灯を吊りさげている。
単色の蛍光灯によって空間の中にいる人は色味を失い、白黒写真の中にいるような感覚になる。
これも最初はあまりぱっとは反応できなかったが、
空間の中にたくさん人が入ってきて動き回っているのをみると、非常に楽しくなってくる。
続いて7色の単色ライトが並べられた白い光の空間「Slow-motion shadow in colour」へ。
これもライトの前を人が通過すると影が7色に出来てとても綺麗だが、
ああ、たしかに綺麗だな~といった程度の印象しか最初もてなかった。
周りのお客さんもちょっとみてその7色の自分の影が出来るのを確認する程度。
でもよくよく考えてみるとなにか違和感がある。
なぜ、7色に影が出来るのか。
そもそもライトは7色あるのに何故壁は白いのだろうか。
そうか、7色のライトが壁に集まっているから光が組み合わさって壁が白く光っているのか。
そして人が壁の手前に入ると、ライトの微妙なズレによって白からそのライトの色が引かれ、
七色の影が出来ているのか。
それに気づいた瞬間、作品タイトルと素材のみの会場案内図と作品解説文の不在がすべて合致する。
作品の解説は既にそのタイトルと作品の中に全て明示されているのだ。
ライトやその配線など、一般的には隠そうとする装置をすべてさらけ出し、
その仕組みを開くことで、作品の解説までもその作品の中に包含してしまっている。
その一種の謎解きのような快感を一度でも通過してしまうと、
もう作品を見るのが楽しくてしょうがなくなる。
「Your making things explicit」や「Your water-colour horizon」などはその仕組みが段々わかってくると、本当に感動する。
この数学の問題を解いていて、あるとき急に答えまでの解法が
頭の中でつながったかのような感覚は、とても理系的で、
受験戦争を生き抜いてきた自分にはたまらない快感。
そしてなによりその作品の現象が誰もが共有可能な単純な体験となっているところがすばらしい。
また、オラファーの各部屋のボリュームに対する作品のスケール感のいいこと。
サイズの違うホワイトキューブという展示空間がまるでこの作品群のために作られたかのような気さえしてくる。
あらためてオラファーのスケールに対する感受性に感服。
そう考えていると、やはり最初の作品「your chance encounter」は空間のスケールを
とてもシンプルな装置でとらえ作品としており、一番じっくり、
ぼけーと見ていられる作品だと最後にまた作品に入りなおして認識する。
しかしアート、建築畑ではない人は一体どれだけこの仕組みに理解できたのだろうか。
さっくり作品を通過していく人々を見ているとそんな心配がよぎる。
いや、自分がただ単に作品の理解力が遅いだけかもしれませんが。
でも神戸ビエンナーレで作品をつくってみて思ったが、
結局は作品をみた人が今後の人生で何度か思い出すくらいの印象を与えることが出来れば、
作家としてはそれで十分なのかもしれないとも思う。
その後、白川郷や飛騨高山などをまわり二泊三日で帰宅。
他にもいろいろと書きたいことはありますがこの辺で。
いやぁ、金沢はご飯もめちゃ美味しいし、おすすめです。
というわけでよろしくお願いします。
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