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A r c h i t e c t u r a l N a n o / Global 30
Archicomplex代表の廣瀬大祐氏がスタジオマスターを勤めているTUS Digital Studioのスタジオ課題、6th Assignment “A r c h i t e c t u r a l N a n o”の最終講評(12/14)に、ゲストクリティークとして参加します。当日は1時間ほどのレクチャーもあわせて行う予定です。
*TUS Digital Studio
—–
「2010年6月に発足し、現在、東京理科大学理工学部建築学科を中心とした55名の有志から構成されています。スタジオマスターにArchicomplex代表の廣瀬大祐氏を迎え、設計施工の為のツールとして、建築やそれに留まらないあらゆるデジタルツールを実践し、その技術共有と独自の展開を目的としています。」 下記URLより抜粋
http://www.digitalstudioarchive.org/index.html
/////
東京大学工学系研究科建築学専攻・Global 30国際都市建築デザインコースのコースアシスタントを務めることになりました。
Global30は、小渕祐介氏が特任准教授を務める、建築、工学およびコンピュテーションをつなぐ学際的なデザイン研究に特化したコースで、内部組織であるDigital Fabrication Laboratoryでは、建築の生産過程におけるコンピュテーションの様々な可能性が追求されています。
これからのGlobal 30、ますます面白い展開が期待できそうです。
http://obuchi-lab.blogspot.com/
*TUS Digital Studio
—–
「2010年6月に発足し、現在、東京理科大学理工学部建築学科を中心とした55名の有志から構成されています。スタジオマスターにArchicomplex代表の廣瀬大祐氏を迎え、設計施工の為のツールとして、建築やそれに留まらないあらゆるデジタルツールを実践し、その技術共有と独自の展開を目的としています。」 下記URLより抜粋
http://www.digitalstudioarchive.org/index.html
/////
東京大学工学系研究科建築学専攻・Global 30国際都市建築デザインコースのコースアシスタントを務めることになりました。
Global30は、小渕祐介氏が特任准教授を務める、建築、工学およびコンピュテーションをつなぐ学際的なデザイン研究に特化したコースで、内部組織であるDigital Fabrication Laboratoryでは、建築の生産過程におけるコンピュテーションの様々な可能性が追求されています。
これからのGlobal 30、ますます面白い展開が期待できそうです。
http://obuchi-lab.blogspot.com/
帰国/シンポジウムのお知らせ
いつものことながら、実に久しぶりになってしまいましたが、昨今個人的に大きな節目があり、その報告も兼ねまして今回書き込みをしようと思います。
実は4年弱勤務してきたR&Sie(n) Architectsをこの9月で退社し、同月末に日本に本帰国、独立してフリーランスとしての活動をはじめました。
http://www.toshikatsukiuchi.com/
またこの10月から、東京大学工学系研究科建築学専攻・G30国際都市建築デザインコースにてコースアシスタントに着任しました。
どちらも私自身にとっては全くの新しいチャレンジであり、これからの様々な展開を目下模索中です。同ブログには、今後も、むしろR&Sie(n)での勤務時以上にいろいろな情報を掲載していけたらと考えていますので、皆さん宜しくお願い致します。

さて、寸前になってしまいましたが、早速一つお知らせがあります。
工学院大学藤木研究室主催のデジタル・アーキテクチュアに関するシンポジウム、「パラメトリック、アルゴリズミック、デジタル・ファブリケーション」にて、レクチャーを行います。
doubleNegatives Architectureの市川創太さん、慶応大学の田中浩也さんなど、豪華な顔ぶれです。デジタル・アーキテクチュアにご興味のある方、必見です!もしお時間がありましたら、どうぞお越し下さい。
講演者: 藤木隆明、今村創平、木内俊克、砂山太一、田中浩也、田中陽輔、市川創太
日時: 11月8日(火)、18:00~21:00(開場17:30)
会場: 工学院大学新宿校舎3階アーバンテックホール
定員: 270名(当日先着順、事前申し込みの受付は行いません。)
参加費: 無料
実は4年弱勤務してきたR&Sie(n) Architectsをこの9月で退社し、同月末に日本に本帰国、独立してフリーランスとしての活動をはじめました。
http://www.toshikatsukiuchi.com/
またこの10月から、東京大学工学系研究科建築学専攻・G30国際都市建築デザインコースにてコースアシスタントに着任しました。
どちらも私自身にとっては全くの新しいチャレンジであり、これからの様々な展開を目下模索中です。同ブログには、今後も、むしろR&Sie(n)での勤務時以上にいろいろな情報を掲載していけたらと考えていますので、皆さん宜しくお願い致します。
さて、寸前になってしまいましたが、早速一つお知らせがあります。
工学院大学藤木研究室主催のデジタル・アーキテクチュアに関するシンポジウム、「パラメトリック、アルゴリズミック、デジタル・ファブリケーション」にて、レクチャーを行います。
doubleNegatives Architectureの市川創太さん、慶応大学の田中浩也さんなど、豪華な顔ぶれです。デジタル・アーキテクチュアにご興味のある方、必見です!もしお時間がありましたら、どうぞお越し下さい。
講演者: 藤木隆明、今村創平、木内俊克、砂山太一、田中浩也、田中陽輔、市川創太
日時: 11月8日(火)、18:00~21:00(開場17:30)
会場: 工学院大学新宿校舎3階アーバンテックホール
定員: 270名(当日先着順、事前申し込みの受付は行いません。)
参加費: 無料
レポート Fluctuated [Flat]Scape
前々回の投稿でもふれましたが、デンマークにあるRoyal Danish Academy of Fine Arts, School of Architectureにて、4月11日から19日にかけ、ワークショップを行いました。R&Sie(n)とは別個に、whiteweekendkitesとのコラボ レーションとして取り組みました。
今回は簡単にそのレポートを行いたいと思いますが、詳細なアーカイヴのために以下のサイトを立ち上げましたので、興味のある方はぜひそちらもご覧下さい。
> プロジェクトサイト
まず今回のワークショップの狙いですが、そもそも背景にあった問題意識が、「いかにして私たちが普段の暮らしの中で何気なく感じている空間を、より『ありのまま』に記述し、データ化することができるのか」という問いでした。
「何気なく感じている空間」は、どこまで自分が認識しているのかといった境界がとてもあいまいであったり、瞬間から次の瞬間にかけて急激に変化するような不安定さや、同じ場所に帰ってきても以前と異なって感じられるずれや不連続さがあったりするのに対し、3Dモデルの中に落とし込まれた実空間は、そういったクオリティーが決定的に欠落していることが少なくないという実感があります。
あたり前だと言ってしまえばそれまでですが、その部分をもっと掘り下げて追求し、3Dモデルの中で認識できる要素としてそういったクオリティーを捉える作業を行うことで、モダニズムの中では「あいまい」であるがゆえに軽視されてきた感覚的な要素を、定量的に評価可能なものとしてデザインに取り込むことができるのではないか。その方向にこそ、単なる効率化の道具だけではない、コンピュテーショナルデザインの大きな可能性があるのではないか。
私にとっては、今回のワークショップはそこでの問題意識を先鋭化させた最初の試みでしたが、その方向に多くの課題を得て、まだまだ開拓すべきことが確実に広がっていることを確認できたことが、大きな成果だったと考えています。
具体的なテーマ設定としては、「一般的な意味で『Flat(平ら)』な事物を、複数の現象の重なり合いとして分析し、それらの中にある差異や特異性を明確化する」ことをワークショップの課題としました。
平らであることは、数学的な定義からは自明であり、建築設計においても頻繁に多用される概念ですが、人間が感覚的に「平ら」だと認識する事物の中には、驚くほど広がりのある多様性が存在します。波紋の広がった水面、時間をかけて机に刻まれた傷やわずかな凹み、人の手によってはられたタイルの微妙なゆらぎ。そういった様々なものから、各チームごとに興味をもった分析対象をフィールドリサーチを行い、選び出し、それぞれが選んだ「平ら」さをより詳細に分析・理解すること、アウトプットとして、その特異性を複数のフォーマットにより記述することが目指されました。
ワークショップには、The Royal Danish Academy of Fine Arts, School of Architectureの学部一、二年生から45名が参加しました。
一、二年生が適宜混合されるよう9チームに分かれ、あらゆる作業をグループで行い、週末をはさんで7日間のプログラムの中、コペンハーゲンの街中でのフィールドリサーチにはじまり、3Dモデリングソフトウェア上でのプログラミング、模型作業を平行してすすめ、アウトプットとしてCNCミリングマシンによるプロトタイプ、デジタルモデルおよびその分析ダイアグラム、模型、アニメー ションを作成しました。
上のイメージは、各チームが収集した「平ら」さの事例の一つです。このチームは平らな表面にも、こうした淡い影が落ちることで、微妙なゆらぎを感じる、あるいは実際に存在する面のゆがみが感覚的にしかつかめないレベルでゆらぎとなってあらわれているのではないかといった点に着目していました。こういった各チームの捉えたテーマをスタート地点に、それぞれがデジタルツールとアナログな模型作業の両面から各自がテーマとした現象をより詳細に記述するべく作業を開始しました。
3Dモデルのプレゼンテーションパネルからの抜粋(上)、および構築した3Dモデルに対する分析結果の一例(下)です。
上のイメージは、例えば小枝のような断片的な要素が散在した状態が、ときに「平ら」な印象をもたらすことに着目したチームのプレゼンテーションです。プログラミングを用い、ランダムに生成した断片に対し、互いに引き合い、変形し、徐々につながりをつくる力をかけるプログラムを組み、その過程を幾度もシミュレーションすることで、「平ら」さが生じる瞬間を模索する。そのプロセスを繰り返し行っていました。また模型でも、プラスチックの断片を散在させた群に対し、設定したパス上にドライヤーをかけることで、プラスチックの断片が溶け出し、互いに表面張力でつながっていく様をスタディしていました。
下のイメージは、水面の波が一つとして同じものが存在せず、純粋な相似形でないにも関わらず、「同じ系統」の形として認識できることで、面としての連続性や広がりを感じられることに着眼したチームのものです。
彼らのアプローチは、数学的に合同な形状をもった面のグリッドをスクリプトにより生成し、その群に対し、一定のパスに沿いながら、かつグラデーショナルな重みをつけた一種類の力(ここではパス上の点に対してつまみあげる力)をかけることで、「同じ系統」として認識でき、かつすべてユニークな形を、定量的なコントロールのもとで反復してモデリングできることを発見しました。
また分析結果が示しているように、他のチームと比較しても、サイズや形状の分布状態のランダムさが高いことから、「同系統」の形の中にかなりの多様性を生み出せていることが確認できます。
完成したプロトタイプ(上)と模型写真(下)の抜粋です。
プロトタイプには、中間講評で選ばれたチームによる3DモデルをRoland MDX650というCNCミリングマシンで出力しましたが、その際、同時にモデル内のオブジェクト表面を微分して得られる表面の傾きと、相対的なZ座標値を凹凸の挙動に置き換え、視覚化しました。
模型写真に抜粋したチームは、同じサイズ、工法で制作された膜状の蓋と木箱に、充填型のフォームをやはり同じ手続きで吹き込み、外見的にはまったく均質に見えるジョイントの中に存在する非対称な脆弱さを、フォームの漏れとして視覚化するスタディを繰り返していました。
上の写真は最終講評で提出したもので、右側の木箱に漏れが集中していることがわかります。ちょうど水漏れの原因がどこであるかわからない天井面のように、均質に見えるものの中に潜在している非対称性の存在に着眼した、とても興味深い視点です。
全体の議論をとおして確認できたことの中で重要であったことは、こういった作業の中では、最適解を求めることには意味がない、「最適」という概念自体が存在しないということだったかと思います。
プロセスの結果として導き出せる複数の可能性をフラットに比較・検討し、どれが適しているかではなく、何がどう違うかを正確に、解像度を上げて描写できること。それぞれどんな特徴があり、どう魅力的なのかを数値化・言語化できることがきわめて重要で、その先に互いに違う価値観をそのものとして認め合えるような方法論の可能性が広がっているのではないか。そんな期待をもって締めくくることができたワークショップだったと言えるのではないかと思います。
Free the Zoo
R&Sie(n)からのお知らせです。
本日、6月9日付けで、R&Sie(n)が”Free the Zoo"というサイトをオープンしました。
パリの東、Vincennesの公園の中に位置する、1934年オープンの動物園Zoo de Vincennesの、既存施設の大半を取り壊すことを前提にしたリノベーションに異議をとなえるためのサイトです。
PPP(partenariat public-privé) と呼ばれている手続きにより、公共の財産であるZoo de Vincennesは、フランス最大手のコミュニケーション、不動産開発部門をかかえるBouyguesという民営会社に開発権が委託され、Zoo de Vincennes内の多くの文化的価値をもつ施設が失われる危機に瀕しています。
Zoo de Vincennesの主要な特徴は、園内に散在させられた、わずか5cm程度の厚による自然石を模したコンクリートシェルの群です。これらのコンクリートシェル群は、内部に動物の管理施設や設備系統を隠しこむ一方、動物の活動場所と、人間の鑑賞ルートを「掘」によって分断し、フェンスを省略する展示方法を統合した、20世紀初頭の先駆的な例です。
自然石を模したコンクリートシェルは、ショットクリート(吹きつけコンクリート)の上から、戦後その技術が衰退してしまったモルタルにより工芸的なテクスチャを職人の手で与えていく技術を今に伝える貴重な例でもあります。
また、内部の鉄骨構造は、エッフェルが立ち上げたエッフェルエンジニアリングによるもので、20世紀初頭の構造としては代表的なものです。
現状の計画案では、中心部にそびえる "Grand Rocher"と呼ばれる65mの高さをもつシェル、および付帯するいくつかのシェルは保存されることになっていますが、その大半の部分は取り壊されることが計画されています。
興味のある方はぜひサイトをご覧いただき、主旨に賛同してくださるようでしたら、サイト内に記載されているfreethezooparis@gmail.comまで、お名前、所属、国名とあわせてメール(英語のみ)いただければと思います。
よろしくお願いいたします。
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Free the Zooのウェブサイト
http://www.new-territories.com/ZOO/
fluctuated [flat]scape
東日本大震災で被災された方々に、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
フランス時間の今朝にも強い地震が東北地方で起こったというニュースがあり、予断を許さない状況が続いていますが、復興へ向けた歩みが着実に前に進んでいくことを祈りつつ、私自身にもできるサポートは今後も継続していきたいと考えております。
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お知らせです。
来週の11日から19日まで、デンマークにあるRoyal Danish Academy of Fine Arts, School of Architectureにて、ワークショップを行います。今回はR&Sie(n)とは別個に、Whiteweekendkitesとのコラボレーションとして取り組んでいます。
最終講評は19日の11 :00-12 :30に一般公開の上で行う予定です。以下がワークショップの概要になります。ワークショップ後にも追ってレポートをアップする予定ですが、ご興味のある方、現地にいらっしゃる方は是非お立ち寄りください。
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Fluctuated [Flat]scape
Toshikatsu KIUCHI + whiteweekendkites
Date : 11.04.11 ‐ 19.04.11
Location : The Royal Danish Academy of Fine Arts, School of Architecture
UNIT 6, BEKLÆDNINGSMAGASINET, STENSALEN
PHILIP DE LANGES ALLE 10. DK 1435 KØBENHAVN K
Final Review : 11:00 – 12:30, 19.04.11
The Royal Danish Academy of Fine Arts, School of Architecture is inviting
Toshikatsu KIUCHI and whiteweekendkites to hold a workshop during 11th ‐ 19th April. The final review will take place at 11:00 – 12:30 on Tuesday 19th at UNIT 6, BEKLÆDNINGSMAGASINET, STENSALEN and it will be open to public.
The workshop is aimed for the students from 1st and 2nd year to experience the utilization of a computational system as a key to bridge between quantitative / analytical approach and qualitative / emotional, vital, fleshy (even illogical) approach to design architecture.
‐‐‐‐‐
Thinking of the beauty of “deformation”, there seems to be always the conception of “normal” on the other side as a counter. In a way, we can recognize the “deformed” because we know what is “normal”. We see the beauty in a “deformed” object because it is different from “normal” and thus it appears as singular.
But an immediate question which comes to our mind next is;
Does anything “normal” actually exist?
As a hypothetical answer to it, we say No in this workshop presuming that there only exist singularities. “Normal” is just a dull, blunt or careless view at a ridge of singularities, where the difference declares its own existence with wild, lively and unremitting voice.
Starting off from the point of view stated above, we set up an approach to “eventualize” certain things, which are perceived as “normal” (in the sense of Michel Foucault), to open up a better perspective or even fluctuate the view of what is “deformation” about.
In an exploration of this path, we should be able to rediscover "deformation” not as a shift from something “normal” but as a peak in a ridge of singularities.
School website > Royal Danish Academy of Fine Arts, School of Architecture
Toshikatsu KIUCHI, R&Sie(n) > http://www.new-territories.com/
Whiteweekend kites > http://www.whiteweekendkites.com/
フランス時間の今朝にも強い地震が東北地方で起こったというニュースがあり、予断を許さない状況が続いていますが、復興へ向けた歩みが着実に前に進んでいくことを祈りつつ、私自身にもできるサポートは今後も継続していきたいと考えております。
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お知らせです。
来週の11日から19日まで、デンマークにあるRoyal Danish Academy of Fine Arts, School of Architectureにて、ワークショップを行います。今回はR&Sie(n)とは別個に、Whiteweekendkitesとのコラボレーションとして取り組んでいます。
最終講評は19日の11 :00-12 :30に一般公開の上で行う予定です。以下がワークショップの概要になります。ワークショップ後にも追ってレポートをアップする予定ですが、ご興味のある方、現地にいらっしゃる方は是非お立ち寄りください。
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Fluctuated [Flat]scape
Toshikatsu KIUCHI + whiteweekendkites
Date : 11.04.11 ‐ 19.04.11
Location : The Royal Danish Academy of Fine Arts, School of Architecture
UNIT 6, BEKLÆDNINGSMAGASINET, STENSALEN
PHILIP DE LANGES ALLE 10. DK 1435 KØBENHAVN K
Final Review : 11:00 – 12:30, 19.04.11
The Royal Danish Academy of Fine Arts, School of Architecture is inviting
Toshikatsu KIUCHI and whiteweekendkites to hold a workshop during 11th ‐ 19th April. The final review will take place at 11:00 – 12:30 on Tuesday 19th at UNIT 6, BEKLÆDNINGSMAGASINET, STENSALEN and it will be open to public.
The workshop is aimed for the students from 1st and 2nd year to experience the utilization of a computational system as a key to bridge between quantitative / analytical approach and qualitative / emotional, vital, fleshy (even illogical) approach to design architecture.
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Thinking of the beauty of “deformation”, there seems to be always the conception of “normal” on the other side as a counter. In a way, we can recognize the “deformed” because we know what is “normal”. We see the beauty in a “deformed” object because it is different from “normal” and thus it appears as singular.
But an immediate question which comes to our mind next is;
Does anything “normal” actually exist?
As a hypothetical answer to it, we say No in this workshop presuming that there only exist singularities. “Normal” is just a dull, blunt or careless view at a ridge of singularities, where the difference declares its own existence with wild, lively and unremitting voice.
Starting off from the point of view stated above, we set up an approach to “eventualize” certain things, which are perceived as “normal” (in the sense of Michel Foucault), to open up a better perspective or even fluctuate the view of what is “deformation” about.
In an exploration of this path, we should be able to rediscover "deformation” not as a shift from something “normal” but as a peak in a ridge of singularities.
School website > Royal Danish Academy of Fine Arts, School of Architecture
Toshikatsu KIUCHI, R&Sie(n) > http://www.new-territories.com/
Whiteweekend kites > http://www.whiteweekendkites.com/
Green Szew & Fez_2
前回からの続きで、フェズ地区内の再開発プロジェクトの為に2010年にR&Sie(n)で提案したコンペ案についてのメモです。


プロジェクトのサイトが位置するフェズの旧市街の写真
このプロジェクトは、敷地がユネスコの世界遺産に指定されている地域内に位置しており、三つのゾーンに分けられた敷地内に現存する既存建物のうち、第一ゾーンのものは完全な保存を前提にしながら、ホテル・レストランを含む、周辺地域への観光拠点となる施設群、および伝統的な地域手工業の支援/販売センターを複合させた施設を計画するというものでした。
その意味で、ポーランド歴史博物館以上に、敷地が積み重ねてきた時間に対する解答がより直接的に要求されていたことは確かで、コラボレーターとしてコロンビア大学で建築保存論を専門とする歴史家/セオリストのJorge Otero-Pailosを迎え、我々の提案でも時間への考え方を先鋭化することに最もエネルギーを注ぎました。
まず最初に、保存という概念に含まれる様々な触れ幅を探る中で我々が見出した課題は、ポーランドでとったアプローチをより深化させ、現在を含むあらゆる時間を包含したものとしての歴史を、一切削り落とさず、いかにしてそのまま未来へつなげうるのかという問いでした。
これは一般的な歴史的建造物に対する保存の考え方が、近現代に入ってからの補修や増改築をその対象から外し、それ以前のある時点を文献から再構築した理想的な保存対象として抽出した上で、そこに向けて修復を行うという方法に傾倒しがちであることに対するアンチテーゼとして以上に、より普遍的な建築のあり方そのものに対する根本的な価値を提出することにも向けられています。
こういった問題設定につながった主要な判断基準は、一部のゾーンを除き、建て替えを前提として設定されたプロジェクトのサイト内にある既存建築群が、すでに圧倒的な観光資源としてのポテンシャルを十二分に持っていて、これを活かさないという判断をすれば、プロジェクトに期待されている観光拠点としての機能は著しく低下することになるだろうという、きわめて実利的な点でした。
もちろん、近代的な設備をともなった新築の建造物への建て替えを行えば、要求条件を満たす施設群を建設することは容易ですが、その代償に失うものの大きさを考えれば、一定のリスクを受け入れ、極力既存の建造物を利用しながら要求条件をクリアする方法を探ることは、十分に価値のあるチャレンジだと考えたわけです。
また以前、「身体性」と題したエントリーの中でも書いたことですが、一般に建築を新・増改築することが、その建築が挿入される環境の持つ圧倒的な多様性をより生々しい形で露呈し、その先に「生まれつつある現実」として新しいシナリオを接続することだとすれば、フェズでのアプローチはそういった建築一般に拡張できる時間に対する考え方をより先鋭化させたものとして捉えられるはずです。
計画案では、上記での問題意識にもとづいていくつかの主要な方法をその解答として提示しました。


モロッコのフェズ地区内の再開発プロジェクト・コンペ案 ©R&Sie(n)
第一に、本計画に際して建設・挿入されるあらゆる要素を、Mouchrabiehと呼ばれる、地域の伝統的な装飾をモチーフにしたデザインヴォキャブラリーで統一し、あらゆる介入をそれ以前の既存要素と視覚的に区別しつつ、とくに全面保存を前提にしたゾーンでは、挿入される要素を全面的にReversible(既存建築にダメージを与えずに設置/除去が可能)なものとして計画するという方針を立てました。
Moucharabiehは、プロジェクトを統一する視覚的なイコンである以上に、その生産段階で現地の地域手工業により直接的に生産されることを前提としており、伝統的な地域手工業の支援/販売センターの役割を担う本プロジェクトの、第一の主要な支援事業になることを想定しています。
第二に、現在に至るまでに積み重ねられてきた増改築の履歴をどんなものであれ徹底して残すために、既存建築物の外形がもっている幾何学的形状を100パーセント保存することを核にしながら、
A. 既存建築物の状況に応じて、防水機能の修復などの部分的補修、構造的に不健全な部分の一部取替え、倒壊が極度に激しい部位の建て替え、の三段階に峻別した修復を行う。
(建て替えの際には、解体した既存建築の廃材を粉砕し、骨材として再利用する)
B. 隣接し、外壁を共有する既存建築群を一つのヴォリュームとみなし、構造的補強を行いながら共有部位にあたる外壁をすべて取り払い、内部のプログラム設定を既存の建築単位から完全に自由化する。
C. 設備や建築面積の必要に応じ、増築部位が生じる際には、地域に典型的な箱状の増築とし、かつプロジェクト全体の方針に応じて、全面Moucharabiehにより構成されたヴォリュームとする。
といった方針を提案しました。

モロッコのフェズ地区内の再開発プロジェクト・コンペ案 ©R&Sie(n)
第三に、複雑に積み重なったヴォリューム群を活かしながらも、動線の混乱を避けるため、プログラムの割り当てはエリアごとに機能を振り分けるような単純なゾーニングとした上で、
D. 新しい機能である「地域手工業の支援/販売センター」の主要動線として、敷地中央を流れるFez River沿いに川の字に並ぶヴォリューム群をジグザグに横断する「Souk」を挿入する。「Souk」とは、フェズ地区に伝統的なパサージュ状のストリートマーケットのこと。新規に挿入された「Souk」は、全面Moucharabiehにより囲われた空間となる。
E. サイトが位置するフェズの旧市街内部では希少価値を持つ緑地帯を、旧市街外部から引き込むルートとしてFez Riverを捉え、先駆けとして積極的にその河川沿いを緑化する。
といった計画軸が、プランニングのキーポイントとして導入されています。
あらためてこうしてメモを記しつつ気づく点は、フェズでの提案が、個別解としての建築の「形」ではなく、あくまでその手段を規定するデザインにフォーカスできたというところで、今後の展開を構築していく上でこの点は大きな成果であったと考えています。
プロジェクトのサイトが位置するフェズの旧市街の写真
このプロジェクトは、敷地がユネスコの世界遺産に指定されている地域内に位置しており、三つのゾーンに分けられた敷地内に現存する既存建物のうち、第一ゾーンのものは完全な保存を前提にしながら、ホテル・レストランを含む、周辺地域への観光拠点となる施設群、および伝統的な地域手工業の支援/販売センターを複合させた施設を計画するというものでした。
その意味で、ポーランド歴史博物館以上に、敷地が積み重ねてきた時間に対する解答がより直接的に要求されていたことは確かで、コラボレーターとしてコロンビア大学で建築保存論を専門とする歴史家/セオリストのJorge Otero-Pailosを迎え、我々の提案でも時間への考え方を先鋭化することに最もエネルギーを注ぎました。
まず最初に、保存という概念に含まれる様々な触れ幅を探る中で我々が見出した課題は、ポーランドでとったアプローチをより深化させ、現在を含むあらゆる時間を包含したものとしての歴史を、一切削り落とさず、いかにしてそのまま未来へつなげうるのかという問いでした。
これは一般的な歴史的建造物に対する保存の考え方が、近現代に入ってからの補修や増改築をその対象から外し、それ以前のある時点を文献から再構築した理想的な保存対象として抽出した上で、そこに向けて修復を行うという方法に傾倒しがちであることに対するアンチテーゼとして以上に、より普遍的な建築のあり方そのものに対する根本的な価値を提出することにも向けられています。
こういった問題設定につながった主要な判断基準は、一部のゾーンを除き、建て替えを前提として設定されたプロジェクトのサイト内にある既存建築群が、すでに圧倒的な観光資源としてのポテンシャルを十二分に持っていて、これを活かさないという判断をすれば、プロジェクトに期待されている観光拠点としての機能は著しく低下することになるだろうという、きわめて実利的な点でした。
もちろん、近代的な設備をともなった新築の建造物への建て替えを行えば、要求条件を満たす施設群を建設することは容易ですが、その代償に失うものの大きさを考えれば、一定のリスクを受け入れ、極力既存の建造物を利用しながら要求条件をクリアする方法を探ることは、十分に価値のあるチャレンジだと考えたわけです。
また以前、「身体性」と題したエントリーの中でも書いたことですが、一般に建築を新・増改築することが、その建築が挿入される環境の持つ圧倒的な多様性をより生々しい形で露呈し、その先に「生まれつつある現実」として新しいシナリオを接続することだとすれば、フェズでのアプローチはそういった建築一般に拡張できる時間に対する考え方をより先鋭化させたものとして捉えられるはずです。
計画案では、上記での問題意識にもとづいていくつかの主要な方法をその解答として提示しました。
モロッコのフェズ地区内の再開発プロジェクト・コンペ案 ©R&Sie(n)
第一に、本計画に際して建設・挿入されるあらゆる要素を、Mouchrabiehと呼ばれる、地域の伝統的な装飾をモチーフにしたデザインヴォキャブラリーで統一し、あらゆる介入をそれ以前の既存要素と視覚的に区別しつつ、とくに全面保存を前提にしたゾーンでは、挿入される要素を全面的にReversible(既存建築にダメージを与えずに設置/除去が可能)なものとして計画するという方針を立てました。
Moucharabiehは、プロジェクトを統一する視覚的なイコンである以上に、その生産段階で現地の地域手工業により直接的に生産されることを前提としており、伝統的な地域手工業の支援/販売センターの役割を担う本プロジェクトの、第一の主要な支援事業になることを想定しています。
第二に、現在に至るまでに積み重ねられてきた増改築の履歴をどんなものであれ徹底して残すために、既存建築物の外形がもっている幾何学的形状を100パーセント保存することを核にしながら、
A. 既存建築物の状況に応じて、防水機能の修復などの部分的補修、構造的に不健全な部分の一部取替え、倒壊が極度に激しい部位の建て替え、の三段階に峻別した修復を行う。
(建て替えの際には、解体した既存建築の廃材を粉砕し、骨材として再利用する)
B. 隣接し、外壁を共有する既存建築群を一つのヴォリュームとみなし、構造的補強を行いながら共有部位にあたる外壁をすべて取り払い、内部のプログラム設定を既存の建築単位から完全に自由化する。
C. 設備や建築面積の必要に応じ、増築部位が生じる際には、地域に典型的な箱状の増築とし、かつプロジェクト全体の方針に応じて、全面Moucharabiehにより構成されたヴォリュームとする。
といった方針を提案しました。
モロッコのフェズ地区内の再開発プロジェクト・コンペ案 ©R&Sie(n)
第三に、複雑に積み重なったヴォリューム群を活かしながらも、動線の混乱を避けるため、プログラムの割り当てはエリアごとに機能を振り分けるような単純なゾーニングとした上で、
D. 新しい機能である「地域手工業の支援/販売センター」の主要動線として、敷地中央を流れるFez River沿いに川の字に並ぶヴォリューム群をジグザグに横断する「Souk」を挿入する。「Souk」とは、フェズ地区に伝統的なパサージュ状のストリートマーケットのこと。新規に挿入された「Souk」は、全面Moucharabiehにより囲われた空間となる。
E. サイトが位置するフェズの旧市街内部では希少価値を持つ緑地帯を、旧市街外部から引き込むルートとしてFez Riverを捉え、先駆けとして積極的にその河川沿いを緑化する。
といった計画軸が、プランニングのキーポイントとして導入されています。
あらためてこうしてメモを記しつつ気づく点は、フェズでの提案が、個別解としての建築の「形」ではなく、あくまでその手段を規定するデザインにフォーカスできたというところで、今後の展開を構築していく上でこの点は大きな成果であったと考えています。
Green Szew & Fez
前回の書き込みから、まただいぶ時間が経ってしまいましたが、
2011年に入ってはじめての書き込みです。
今年もよろしくお願いいたします。
さて、今回は発表していなかったR&Sie(n)の二つのコンペ案を紹介しながら、
最近考えていることなど、メモしてみたいと思います。
この二つのコンペ案は、それぞれ2009年、2010年に、
ポーランド歴史博物館(上)と、モロッコのフェズ地区内の再開発プロジェクト(下)の為に提案したものです。


"Green Szew" ポーランド歴史博物館コンペ案 ©R&Sie(n)


モロッコのフェズ地区内の再開発プロジェクト・コンペ案 ©R&Sie(n)
両者ともコンテクストはまったく異なるものの、共通したアプローチとして、
いかに既存のコンテクストが抱える問題を肯定的に読み替え、
新しいプログラムの核としてすえながら、一見相反する価値観を有機的に統合していくかに主眼を置いています。
これは一つのプロジェクトの中で対立する要素を、あえてぶつけ合い、そこから生じてくる突然変異的な部分を豊かさとして受け入れるという、R&Sie(n)の基本的なアプローチと軸を一つにするものですが、
―社会的なレベルで同様のアプローチを展開したという点
―都市や建築が生きている時間軸をパラメータとして取り込み、プロジェクトの軸として明確化できた点
で、これらのコンペ案は一つの成果だったと考えています。
ポーランド歴史博物館は、ワルシャワ市内の主要な緑地帯である丘陵を掘り下げ、緑地を分断して走る高速道路上にミュージアムを計画し、文化的なポテンシャルを高めながら、同時に分断されてしまった緑地帯の整備を行うことが主要な課題でした。
我々が第一に考えたことは、歴史博物館というプログラムに対し、高速道路を何事もなかったかのように隠蔽することは、歴史的な時間から継続して辿り着いているはずの近現代の時間だけを特別視し、歴史から除外してしまうことにつながるのではないか、ということでした。
(勝利案は、単純な人工地盤により高速道路を完全に地下化した上に博物館をのせたものでしたが)
結果、我々の提案の核になったのはミュージアムを高速道路の「傷跡」としてデザインする、という考え方でした。つまり、分断された緑地帯の整備、修復は行うが、そこに「傷」=高速道路があったという履歴は消去せずに、それが乗り越えられたという生々しい痕跡を空間の主役に据えよう、ということです。
このコンセプトを明確化するために、具体的にはいくつかの徹底した指針により、提案全体が構成されました。
1. 博物館の展示部分をなすヴォリュームを二つの群にわけ、高速道路の軸に沿って両岸に配置
2. その両岸のヴォリューム上から持ち出したスラブを、高速道路上で最低限のジョイントで連結、その上部をカフェその他の機能を包含したメインロビーとして用いる。
3. その際、ジョイント部(幅1~4m)は道路の軸線に沿ってリニアに連続したガラス床として仕上げ、博物館内から高速道路を見下ろす「ひび割れ」を、プロジェクト全体の中心軸として視覚化する。
4. 都市における博物館のあり方としては、分断された緑をつなぎ合わせる「ジッパー」として機能させるため、博物館を構成するヴォリューム群と周辺の樹木をハイドロポニックチューブで連結し、周辺の緑地と建物を連続/一体化した緑地として結びつける。
ここで重要なのは、高速道路を一つのイコンとして扱う以上に、周辺の緑地を引っ張り、結び付けようとする役割をもたされた建物と、それを分断しようとする暴力的な高速道路とのあいだのせめぎ合いの中にすべての空間が直接おかれているということで、建物内のどの場所にいても、そういった全体の動きを感じられるよう徹底してデザインを行いました。
少し長くなってきたので、フェズの再開発のプロジェクトについては、また後日、近いうちに書こうと思いますが、この辺りの考え方はまだまだ掘り下げられそうだと考えています。
続
2011年に入ってはじめての書き込みです。
今年もよろしくお願いいたします。
さて、今回は発表していなかったR&Sie(n)の二つのコンペ案を紹介しながら、
最近考えていることなど、メモしてみたいと思います。
この二つのコンペ案は、それぞれ2009年、2010年に、
ポーランド歴史博物館(上)と、モロッコのフェズ地区内の再開発プロジェクト(下)の為に提案したものです。
"Green Szew" ポーランド歴史博物館コンペ案 ©R&Sie(n)
モロッコのフェズ地区内の再開発プロジェクト・コンペ案 ©R&Sie(n)
両者ともコンテクストはまったく異なるものの、共通したアプローチとして、
いかに既存のコンテクストが抱える問題を肯定的に読み替え、
新しいプログラムの核としてすえながら、一見相反する価値観を有機的に統合していくかに主眼を置いています。
これは一つのプロジェクトの中で対立する要素を、あえてぶつけ合い、そこから生じてくる突然変異的な部分を豊かさとして受け入れるという、R&Sie(n)の基本的なアプローチと軸を一つにするものですが、
―社会的なレベルで同様のアプローチを展開したという点
―都市や建築が生きている時間軸をパラメータとして取り込み、プロジェクトの軸として明確化できた点
で、これらのコンペ案は一つの成果だったと考えています。
ポーランド歴史博物館は、ワルシャワ市内の主要な緑地帯である丘陵を掘り下げ、緑地を分断して走る高速道路上にミュージアムを計画し、文化的なポテンシャルを高めながら、同時に分断されてしまった緑地帯の整備を行うことが主要な課題でした。
我々が第一に考えたことは、歴史博物館というプログラムに対し、高速道路を何事もなかったかのように隠蔽することは、歴史的な時間から継続して辿り着いているはずの近現代の時間だけを特別視し、歴史から除外してしまうことにつながるのではないか、ということでした。
(勝利案は、単純な人工地盤により高速道路を完全に地下化した上に博物館をのせたものでしたが)
結果、我々の提案の核になったのはミュージアムを高速道路の「傷跡」としてデザインする、という考え方でした。つまり、分断された緑地帯の整備、修復は行うが、そこに「傷」=高速道路があったという履歴は消去せずに、それが乗り越えられたという生々しい痕跡を空間の主役に据えよう、ということです。
このコンセプトを明確化するために、具体的にはいくつかの徹底した指針により、提案全体が構成されました。
1. 博物館の展示部分をなすヴォリュームを二つの群にわけ、高速道路の軸に沿って両岸に配置
2. その両岸のヴォリューム上から持ち出したスラブを、高速道路上で最低限のジョイントで連結、その上部をカフェその他の機能を包含したメインロビーとして用いる。
3. その際、ジョイント部(幅1~4m)は道路の軸線に沿ってリニアに連続したガラス床として仕上げ、博物館内から高速道路を見下ろす「ひび割れ」を、プロジェクト全体の中心軸として視覚化する。
4. 都市における博物館のあり方としては、分断された緑をつなぎ合わせる「ジッパー」として機能させるため、博物館を構成するヴォリューム群と周辺の樹木をハイドロポニックチューブで連結し、周辺の緑地と建物を連続/一体化した緑地として結びつける。
ここで重要なのは、高速道路を一つのイコンとして扱う以上に、周辺の緑地を引っ張り、結び付けようとする役割をもたされた建物と、それを分断しようとする暴力的な高速道路とのあいだのせめぎ合いの中にすべての空間が直接おかれているということで、建物内のどの場所にいても、そういった全体の動きを感じられるよう徹底してデザインを行いました。
少し長くなってきたので、フェズの再開発のプロジェクトについては、また後日、近いうちに書こうと思いますが、この辺りの考え方はまだまだ掘り下げられそうだと考えています。
続
Une architecture des humeurs 巡回展
お知らせです。
オープンから少し経ちますが、R&Sie(n)がパリのLe Laboratoireで行ったUne Architecture des humeursのリサーチプロジェクトが出展されている"Robot Dreams"が、Kunsthaus Graz(ピーター・クックのデザインで知られる)に巡回しています。
http://www.museum-joanneum.at/en/kunsthaus/exhibitions/robot-dreams
展示は2月20日まで延長されたようなので、Graz近辺にいらっしゃる機会のある方はぜひ立ち寄ってみてください。
ビエンナーレ 2
久しぶりの書き込みです。
8月末のヴェネツィアビエンナーレのオープニングから早一ヶ月が経ちましたが、R&Sie(n)から出展したインスタレーションの様子をアップしておきます。
展示コンセプトの詳細は、R&Sie(n)のウェブサイトに掲載していますので、興味のある方はぜひ。
-----
ビエンナーレを終えて思うことは、ともかく今年の前半は展示関連のプロジェクトが多かったということです。
これもビエンナーレ後にチームで確認したことですが、そもそもR&Sie(n)の仕事は三つの領域―“Here & Now”,“Speculation”,“Fictional Scenario”―に分けて俯瞰することができるわけで、この分類に沿って言えば、展示関連のプロジェクトが多い時期はどうしても“Speculation”に事務所が片寄りがちになります。しかしながら、R&Sie(n)の目指すところの建築のあり方は、もちろんこの3軸が交差する地点にあるはずで、今年後半以降しばらくは他の二軸に照準をあわせて展開したい、等々の話をしたわけです。
もう少し詳しく言うために、この3つの領域を時間軸と照らし合わせて説明すると、“Here & Now”は、文字通り現在の状況に対して、時間のスパンをきわめて短く設定し、仮設と本設の概念があいまいな領域をプロジェクト化すること、“Speculation”は現在とは無関係な時間を設定し、その領域においての可能性を仮定的に検証すること、“Fictional Scenario”はそのどちらでもなく、むしろ時間軸上でのベクトルとしてプロジェクトを捉え、それを現在の状況に対する差異や差分、あるいは方向として提示すること(ここから現実そのものを差分の集積として俯瞰し直す視点を開くことも含まれる)、と言えるかと思います。
むろん、この3軸が交差する地点というとき、それはまったくの未知の領域―”New territories”―なのであって、周囲を旋回し、どこまでも深い霧にのみこまれていくことでしか近づけないような、そんな非決定性に満ちた領域のイメージを再確認したような気がしています。
----
以下、ビエンナーレでのR&Sie(n)のインスタレーションより。
(上から、全景、紫外線可視化装置のプロトタイプ、3Dプリント模型、及び展示に埋め込まれた映像から抜粋した画像)





Isobiot®ope / © R&Sie(n) with Stephan Henrich + Benoit Lalloz / ACT + M/M Paris _ with the participation of Gaetan Robillard, Gorka Arrizabalaga, Sebastien Szczyrk, Jean-Michel Castagné _ and Ulrike Marie Steen, Hamish Rhodes, Gabriel Blue Cira, Sandra Meireis, Alessandra Vassallo, Sina Momtaz, Liza Langard, Melissa Millot
Co-producers / Co-commissioners - Zumtobel Lighting GmbH / Austria / -Thyssen-Bornemisza Art Contemporary / Vienna / Austria /
Sponsors -CULTURESFRANCE / Ministère des Affaires étrangères et européennes / -Materialise / 3D print / Belgium / -Tecmolde / CNC production / Spain
All images © R&Sie(n)
8月末のヴェネツィアビエンナーレのオープニングから早一ヶ月が経ちましたが、R&Sie(n)から出展したインスタレーションの様子をアップしておきます。
展示コンセプトの詳細は、R&Sie(n)のウェブサイトに掲載していますので、興味のある方はぜひ。
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ビエンナーレを終えて思うことは、ともかく今年の前半は展示関連のプロジェクトが多かったということです。
これもビエンナーレ後にチームで確認したことですが、そもそもR&Sie(n)の仕事は三つの領域―“Here & Now”,“Speculation”,“Fictional Scenario”―に分けて俯瞰することができるわけで、この分類に沿って言えば、展示関連のプロジェクトが多い時期はどうしても“Speculation”に事務所が片寄りがちになります。しかしながら、R&Sie(n)の目指すところの建築のあり方は、もちろんこの3軸が交差する地点にあるはずで、今年後半以降しばらくは他の二軸に照準をあわせて展開したい、等々の話をしたわけです。
もう少し詳しく言うために、この3つの領域を時間軸と照らし合わせて説明すると、“Here & Now”は、文字通り現在の状況に対して、時間のスパンをきわめて短く設定し、仮設と本設の概念があいまいな領域をプロジェクト化すること、“Speculation”は現在とは無関係な時間を設定し、その領域においての可能性を仮定的に検証すること、“Fictional Scenario”はそのどちらでもなく、むしろ時間軸上でのベクトルとしてプロジェクトを捉え、それを現在の状況に対する差異や差分、あるいは方向として提示すること(ここから現実そのものを差分の集積として俯瞰し直す視点を開くことも含まれる)、と言えるかと思います。
むろん、この3軸が交差する地点というとき、それはまったくの未知の領域―”New territories”―なのであって、周囲を旋回し、どこまでも深い霧にのみこまれていくことでしか近づけないような、そんな非決定性に満ちた領域のイメージを再確認したような気がしています。
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以下、ビエンナーレでのR&Sie(n)のインスタレーションより。
(上から、全景、紫外線可視化装置のプロトタイプ、3Dプリント模型、及び展示に埋め込まれた映像から抜粋した画像)
Isobiot®ope / © R&Sie(n) with Stephan Henrich + Benoit Lalloz / ACT + M/M Paris _ with the participation of Gaetan Robillard, Gorka Arrizabalaga, Sebastien Szczyrk, Jean-Michel Castagné _ and Ulrike Marie Steen, Hamish Rhodes, Gabriel Blue Cira, Sandra Meireis, Alessandra Vassallo, Sina Momtaz, Liza Langard, Melissa Millot
Co-producers / Co-commissioners - Zumtobel Lighting GmbH / Austria / -Thyssen-Bornemisza Art Contemporary / Vienna / Austria /
Sponsors -CULTURESFRANCE / Ministère des Affaires étrangères et européennes / -Materialise / 3D print / Belgium / -Tecmolde / CNC production / Spain
All images © R&Sie(n)
建築/コード/モデリング
既にご存知の方も多いかもしれませんが、10+1のウェブサイトに田中浩也氏のテキストが掲載されています。
普段から考えていることとかなり重なる部分があり、コンンピュテーショナル・デザインの可能性が明快に整理されているように感じたので、以下に一部抜粋し、関連して若干のメモを記してみようと思います。
「建築」自体のコード化、すなわち「(建築という)デザイン対象をいかにしてモデル化し、ビットとしての操作対象にいかに翻訳するか」という、根源的な問いがある。これはいわば「建築の遺伝子型」を新たに定義しなおすという挑戦であり、おそらく他分野からの輸入では解決できない(これは建築論にも触れる、原理的には終わりのない問いでもあるが)。
あるデザイン対象を、変数を含んだ数理的モデルに落とし込む「パラメトリック・モデリング」と呼ばれる手法がある。・・・これは「建築はいかにモデル化できるか?」=「そのものをどう捉えるか?」という、先に述べた根源的な問いとも響き合う行為なのである(このように、新しいコンピュテーショナルな手法は、実践的な水準と哲学的な水準を同時に含んでいることに留意されたい)。
・・・
あらゆるデザインは、ただ「つくる」のではなく、「わかる」ことと「つくる」ことがステップ・バイ・ステップで循環しながら進行していくようなプロセスである。・・・コーディングを伴うデザインの価値を、「わかること」と「つくること」のダイナミックな連動性に置きたい。
この『「わかる」ことと「つくる」ことのダイナミックな連動性』という記述は、コンピュテーションをとおしてデザインを展開していく際の実践的な感覚を的確に描写しているように思います。
実際、デザインのあらゆるレベルで常におこる出来事として、デザインの対象に反映したい何らかの質がある際、
1. 仮説的にその質を定量的なデータと一まとまりのコードに置き換え、
2. それをN次元空間の中に落とし込み、
3. パラメータを変化させ、その挙動を逐一眺めては物理的なモデルへの展開可能性を読み取り、
4. より興味深い方向に適宜手続きを修正し、検討を反復する
といったプロセスは重要で、その中ではじめて、建築に担保させるべきところの質が、物理的にはどういったものの中に内包させることができるのかが洗い出されてくるわけです。
(たとえば、空間内のある点とある点が結ばれているという感覚は、いわゆる床面の構成により担保されうるかもしれない一方で、別の条件下では壁や天井による方がより効果的かもしれない、あるいはそのどれでもあるような要素によりなされるかもしれないし、テクスチャやディテール、環境的な要素の中に発現するかもしれない、といったように)
言い換えれば、それは仮説的なモデル化を繰り返すことで、「建築として理解できるデータの挙動」を観察しながら、求められた質に即した物理的な(広義の)構造を発見していくプロセスであり、田中氏の言葉をかりれば、まさに一つひとつのプロジェクト固有の「建築の遺伝子型」を、既成の概念をこえてその都度再定義していくような作業だと言えるように思います。
さらに言えば、仮説的なモデル化の繰り返しの中で頻繁に起きる、求められた質自体の突然変異的な展開や解像度の上昇も、こういったプロセスのきわめて発見的な一側面だと感じています。
また、むろんこれらの手続きを複数の要素間、および時系列上で連動させることでプロジェクトが形成されていくわけで、そのあたりのことについても、以前行った藤村龍至氏とのメール対談の中で書いています。興味のある方はぜひ。
普段から考えていることとかなり重なる部分があり、コンンピュテーショナル・デザインの可能性が明快に整理されているように感じたので、以下に一部抜粋し、関連して若干のメモを記してみようと思います。
「建築」自体のコード化、すなわち「(建築という)デザイン対象をいかにしてモデル化し、ビットとしての操作対象にいかに翻訳するか」という、根源的な問いがある。これはいわば「建築の遺伝子型」を新たに定義しなおすという挑戦であり、おそらく他分野からの輸入では解決できない(これは建築論にも触れる、原理的には終わりのない問いでもあるが)。
あるデザイン対象を、変数を含んだ数理的モデルに落とし込む「パラメトリック・モデリング」と呼ばれる手法がある。・・・これは「建築はいかにモデル化できるか?」=「そのものをどう捉えるか?」という、先に述べた根源的な問いとも響き合う行為なのである(このように、新しいコンピュテーショナルな手法は、実践的な水準と哲学的な水準を同時に含んでいることに留意されたい)。
・・・
あらゆるデザインは、ただ「つくる」のではなく、「わかる」ことと「つくる」ことがステップ・バイ・ステップで循環しながら進行していくようなプロセスである。・・・コーディングを伴うデザインの価値を、「わかること」と「つくること」のダイナミックな連動性に置きたい。
この『「わかる」ことと「つくる」ことのダイナミックな連動性』という記述は、コンピュテーションをとおしてデザインを展開していく際の実践的な感覚を的確に描写しているように思います。
実際、デザインのあらゆるレベルで常におこる出来事として、デザインの対象に反映したい何らかの質がある際、
1. 仮説的にその質を定量的なデータと一まとまりのコードに置き換え、
2. それをN次元空間の中に落とし込み、
3. パラメータを変化させ、その挙動を逐一眺めては物理的なモデルへの展開可能性を読み取り、
4. より興味深い方向に適宜手続きを修正し、検討を反復する
といったプロセスは重要で、その中ではじめて、建築に担保させるべきところの質が、物理的にはどういったものの中に内包させることができるのかが洗い出されてくるわけです。
(たとえば、空間内のある点とある点が結ばれているという感覚は、いわゆる床面の構成により担保されうるかもしれない一方で、別の条件下では壁や天井による方がより効果的かもしれない、あるいはそのどれでもあるような要素によりなされるかもしれないし、テクスチャやディテール、環境的な要素の中に発現するかもしれない、といったように)
言い換えれば、それは仮説的なモデル化を繰り返すことで、「建築として理解できるデータの挙動」を観察しながら、求められた質に即した物理的な(広義の)構造を発見していくプロセスであり、田中氏の言葉をかりれば、まさに一つひとつのプロジェクト固有の「建築の遺伝子型」を、既成の概念をこえてその都度再定義していくような作業だと言えるように思います。
さらに言えば、仮説的なモデル化の繰り返しの中で頻繁に起きる、求められた質自体の突然変異的な展開や解像度の上昇も、こういったプロセスのきわめて発見的な一側面だと感じています。
また、むろんこれらの手続きを複数の要素間、および時系列上で連動させることでプロジェクトが形成されていくわけで、そのあたりのことについても、以前行った藤村龍至氏とのメール対談の中で書いています。興味のある方はぜひ。
