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悪についてのノート

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この世界には、シュメール神族(メソポタミア神話)に始まり、
オリュンポス神族(ギリシア神話)、プラーナ神族(ヒンドゥー)、
アース&ヴァン神族(北欧神話)、エジプト神族、八百万の神(神道)、
仏、妖怪等々、さまざまな怪異が存在するが、
アブラハム宗教(ユダヤ・キリスト・イスラム)における天使、
なかでも「堕天使」という存在には、
中二なお年頃から20年が経とうとしている今でも、
ただならぬ魅力を感じている。


堕天使というのは、むかしむかしに神に反逆して離反した連中のこと。
ルシファーという圧倒的カリスマを持った天使のなかのトップリーダーが、
全天使のうち1/3の軍勢を引き連れてクーデターを起こしたんである。

ところが当時アークエンジェルの階級
(下から二番目、軍隊で言えば 伍長、軍曹、曹長 程度ですな)
だったミカエルを筆頭とする、ガブリエル、ラファエル、ウリエルたち
四大天使の大活躍によってルシファーは討たれ、クーデターは失敗。
反逆軍のみなさんは一斉に堕天して地獄に落ちる。

結構な数の上層部がすっぽり抜けてしまったので、
ミカエルたち四大天使は一気に最高階級の熾天使(セラフ)へ大出世する。
というわけで、いまの天使構成は彼らがトップに君臨している。




M.L.Breton, Lucifer,
Collin de Plancy, Dictionnaire Infernal, 1863



そののち「敵対者」という概念そのものを意味する
「サタン」と同一視されてしまう大天使改め大魔王ルシファーは、
「明けの明星=金星」を指す言葉を名に持つ、
かつて「暁の子」と呼ばれたそれはそれは優秀な天使でござった。
背中の羽の数は6枚までと定められているのに、
特例として12枚とすることを許された程のエリートだった。

エゼキエル書28章12-17節には、
「あなたは全きものの典型であった。知恵に満ち、美の極みであった。」
との記述があるそうな。

1762年、スウェーデンでサバト(魔女の饗宴)を開催した魔女たちが、
「ルシファーに会った」と証言しているらしいが、
彼はうっとりするような紅顔の美少年で、
灰色の服に赤い半ズボン、青い靴下を履いていたという。
上のM.L.ブルトンによる絵は全裸だけど、そのイメージを元にしてるのかな。

美しく、気高くて、頭が良く、あまりにも突出した存在であったがゆえに、
神をも凌駕できるという傲慢さを持ち、クーデターに至ったという話なのだが。


一方で、19世紀パリの詩人、魔術師のエリファス・レヴィは、
ルシファーは「進歩と知的探求の神である」と記している。
たしかに「神に背く」というタブー行為を、
単なる「傲慢さの果ての行為」として読み解くのはあまりに退屈だ。

ルシファーは「絶対存在を疑う」という行為の象徴でもある。
絶対的な正しさのなかにいて、絶対を疑うことは何を意味するか。
それは、一点の消えない邪な染みであるとともに、
自由と知性の究極的表現なんである。
だから、ルシファーは人間に、自由意思、能動性、
知性の獲得を身を以って示した存在、
つまり知恵の実を与えて楽園を追放させた存在に等しいんである。

* 神話のなかでアダムとイブに食べるようそそのかしたのは、
 赤い蛇の姿の堕天使:サマエルだけどね。
 サマエルはルシファーと同一視されることもあります。




ちなみにルシファーが堕天して投げ落とされた場所は、
エルサレムの正反対側にある南半球の海であると言われる。

エルサレムは [北緯31度47分、東経35度13分] なので、
その対蹠点となると、[南緯31度47分、西経144度47分]

もしかして、と思い興奮気味に調べてみたのだが、
これは 2012.07.11.の日記:『地球についてのノート』 で書いた
「海上到達不能極」こと [南緯48度89分 西経123度45分] に、まぁまぁ近い。
「ネモ船長の点」と呼ばれ、ラヴクラフトのクトゥルフ神話では、
邪神クトゥルフが眠るルルイエという場所に設定されているこの地点、
ルシファーの堕天座標と一致したら面白かったんだけど、
3000kmくらいは離れてるので「まぁまぁ近い」くらいですな。 遠いか…


+



01. バエル Barl
02. アガレス Agares
03. ウァサゴ Vassago
04. ガミジン Gamigin
05. マルバス Marbas
06. ウァレフォル Valfor
07. アモン Amon
08. バルバトス Barbatos
09. パイモン Paimon
10. ブエル Buer
11. グシオン Guison
12. シトリー Sytry
13. ベレト Beleth
14. レラジェ Leraje
15. エリゴール Eligor
16. ゼパル Zepar
17. ボティス Botis
18. バティン Bathin
19. サレオス Saleos
20. プルソン Purson
21. モラクス Morax
22. イポス Ipos
23. アイム Aim
24. ナベリウス Naberius
25. グラシャ=ラボラス Glasya-Labulas
26. ブネ Bune
27. ロノウェ Ronove
28. ベリス Berith
29. アスタロト Astaroth
30. フォルネウス Forneus
31. フォラス Forus
32. アスモデウス Asmodeus
33. ガープ Gaap
34. フルフル Furfur
35. マルコシアス Marchosias
36. ストラス Stlas
37. フェニックス Phoenix
38. ハルファス Halphas
39. マルファス Malphas
40. ラウム Raum
41. フォカロル Focalor
42. ウェパル Vepar
43. サブナック Sabnak
44. シャックス Shax
45. ヴィネ Vine
46. ビフロンス Bifrons
47. ウヴァル Uvall
48. ハーゲンティ Haagenti
49. クロケル Crokel
50. フルカス Furcas
51. バラム Balam
52. アロケル Allocer
53. カイム Caim
54. ムルムル Murmur
55. オロバス Orobas
56. ゴモリー Gomory
57. オセ Ose
58. アミー Amy
59. オリアス Orias
60. ウァプラ Vapula
61. ザガン Zagan
62. ウァラク Valac
63. アンドラス Andras
64. フラウロス Flauros
65. アンドレアルフス Andrealphus
66. キマリス Kimaris
67. アムドゥキアス Amdukias
68. ベリアル Belial
69. デカラビア Decarabia
70. セーレ Seere
71. ダンタリオン Dantalion
72. アンドロマリウス Andromalius

ソロモン72柱(ソロモン王が封じたとされる72体の堕天使たち)
*番号は階級序列ではない





ゴエティア(Goetia)
別名『悪霊の書』(Liber malorum Spirituum)
9列 x 8行 = ソロモン72柱を呼び出して様々な願望をかなえる手順を記した魔術書



ルシファー、サマエルのように人間と関わろうとする堕天使は
何かしらの重要な宗教的役割を担わされているわけで、たいへんに面白い。

上記72柱のなかで特に人間と積極的に関わる堕天使は、68番に坐する炎の王べリアル。
ソロモン王が封印した真鍮の壺を見つけ出したバビロニア人が壺を解いてしまった際、
72柱のうち71体は地獄の領地へ帰っていったが、
ベリアルだけはこの世界に残って、偶像の中に入り込んで神託を行うようになる。




Belial dancing before Solomon,
Jacobus de Teramo, Das Buche Belial, 1473



さらに、弁舌に長け、法律に精通していたベリアルは、
「地獄の利益の公認代表者」として、神に対し
「イエスという個人が地獄の権利に干渉し、
 地獄、地上及びそこに住む者の支配権を強奪した」

と告訴する。

イエスはモーゼを弁護人に、裁判官はソロモン王が担当して裁決し、
最終的に控訴審でイエスは無罪、しかしサタンは最後の審判の後、
不正として地獄に堕とされた者全てに権威を振るってよい、
という結果が下される。


この何だかやたらにみなさん行儀の良い逸話は、非常に面白い構造を持っている。
キリスト教会の権威と正当性を確立するために、訴訟という形式を用いて、
訴訟内容の妥当性云々よりも、
「訴訟したうえで採決されたんですよ」、
つまり「論理的なプロセスを踏んでるんですよ」
ということをプレゼンテーションする必要があったわけだ。
中世ではこの「神と悪魔の裁判」という形式での権威プレゼンが多く広く使われた。

「正しさ」を、さも実証された前提のように仕立て上げることは、
モラルを作り上げることは、とても手間の掛かる大変なことなのだ。


ちなみにべリアルの名は「無価値なもの」を意味する。
2011.06.06.の日記:『隣のオルタナティヴ』 のなかの
「棒立ちの鬼」とは、つまりこいつのことだ。
一休さんの放つ、全てを台無しにする悪魔の言葉は、
「べリアルの言葉」とも言っていいだろう。

「価値あるもの」と定義されたものはとかく思考停止を誘う。
その油断に促され、すぐに単純化しようとする世界を再び歪ませてくれるために、
僕らを悲しくて美しい不全な世界へ揺り戻してくれるために、
「無価値」とは人間にとって極めて重要な救いの一手なのだ。


+

しかし妙なことに、「無価値」を体現するベリアルの描写を一つ取ってみても、

燃え上がる戦車に乗り、美しい天使の姿で現れる。
地位や敵味方からの助力をもたらし、また、優れた使い魔を与えてくれる。
しかし、ベリアルは召喚者が生贄を捧げないと要求に対して真実を答えようとしない。
天から堕ちた天使のうち、彼ほど淫らで、
また悪徳のために悪徳を愛する不埒な者も、他にはいなかった。
天から失われた者で、彼以上に端麗な天使はいなかった。
生まれつき威厳に満ち、高邁だが、それはすべて偽りの虚飾に過ぎなかった。

といったように、こちらのイメージを喚起する瑞々しい描写が為されている。


例えば他には10番のブエルだと



M.L.Breton, Buer,
Collin de Plancy, Dictionnaire Infernal, 1863


太陽が人馬宮にある時に現れ、自然哲学、道徳哲学、
論理学や全ての薬草の薬効を教え、
全ての弱った人、特に男性を癒し、よい使い魔を与える。
星か車輪のような五本の脚を持ち、自ら転がりつつ前進する。
ライオンの頭と5本のヤギの足を体の周りに持つ姿、
またヒトデの姿をした悪魔という説もある。
『悪魔の偽王国』ではアスタリスクの姿とされる。


なんて素敵な表記が見られる。ちょっとデカラビアの描写とも混ざってるな。
しかしこの動物のブリコラージュのあり方、最高だね。
trans-human、もしくはtrans-animals。
これこそが想像力というものだろう。


一方天使は、四大天使(セラフ)の下となると、

・ケルブ / 智天使
・ソロネ / 座天使
・ドミニオン / 主天使
・ヴァーチャー / 力天使
・パワー / 能天使
・プリンシパリティ / 権天使
・アークエンジェル / 大天使
・エンジェル / 天使

と、階級を表現する名称になる。
個人名を表す天使名も出るっちゃ出るのだが、
容姿や行動の描写表現は極端に少ない。


このように、とにかく堕天使の設定や描写は妙に生き生きとしていて、
醜悪さを表現することすら、なんだか楽しくて仕方がなかったように見える。
正を背理的に表現するための動機から、
悪というものの具体性に対する抗えない
興味、好奇心、陶酔感が滲み出てしまっている。


アブラハム系宗教においては、悪魔とはすべて堕天使のことで、
最初から悪魔がいたわけではない。
堕天して正と分離することで初めて悪が生まれたわけだが、
悪が生まれ、コントラストを生むことで、初めて正ができたとも言える。
正は悪で発明されたとも言っていい。

先のベリアルの訴訟を読めば、あくまでも訴訟を起こしたのはベリアルだ。
ルシファーのクーデターも然り、能動性は常に悪に担わせなければならない。
それがゆえに、正は常に後手後手、パッシヴな立ち位置にならざるを得ない。

したがって

・正を悪の排他集合でしか定義できない (ex:モーセの十戒)
・正(神)の具体性をどうしてもダイレクトに獲得できない

という根源的な問題に突き当たる。

その構造を理解したうえで、アブラハム宗教は
「偶像崇拝の禁止」、発音できない神の名「YHVH」、「三位一体」という
極めて屈折した方法論を発明するに至る。



派生や対立は様々あれど、アブラハム宗教の誇る34億人という圧倒的信者数は、
(キリスト教約21億人、イスラム教約13億人、ユダヤ教約1500万人*2006年調べ)
どの宗教よりも能動性を持っていたことの証拠に他ならない。

自発的、能動的な行動とは根本的に悪とわかっていても、
神の応答を待っていられずに「伝える」という積極的行為をせざるを得ず、
布教・宣教の恍惚感に酔っぱらう人間たちのさまは素晴らしい。

これは彼らの動機が正悪どちらに属するか、というつまらない話ではなくて、
矛盾を引き起こす想像力をふんだんに発揮しつつ、
自己内論理の齟齬を力強くうっちゃりながら、
世界を、歴史を席巻していくことの人間力を賛美したいのだ。



単なるコントラストの作成行為ならば、ただ悪はおぞましく醜ければいいのに、
「ルシファーやベリアルの容姿がとても美しい」という意外性を組み込んだりと、
湧き上がる想像力に抗えず、どうしても面白い物語を紡ぎ出そうとしてしまう
みなさんの変態性はたいへんに魅力的だ。

建築が「物」を [地] として「空間」という
触ることのできない [図]を浮かび上がらせるように、
神という究極の抽象性を表現するための [地] として用意される、
「悪」という具体性への興味が尽きない。


その他の堕天使や悪魔の描写を楽しみたい方は、
コラン・ド・プランシー:『地獄の辞典』 を読まれるのが良いかと思います。
ちなみに原本はこちら、フランス国立図書館の電子図書館:
Gallicaで見ることができる。すごいぞ。

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悪についてのノート
投稿元 : バレンシアガ 財布 / 2013年04月19日20:40