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02月 08日 07:10   /  FDmountwill_millsの日記
[社会] #LRAJ2010 Ust配信 PCの前でぶっ続けで見た

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摂氏330度

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担当物件の現場のほど近くに天狗高原という名勝地がある。

ネーミングからしてあまり期待していなかったのだが、
現場の方々が
「ありゃ絶対行った方がええですよ。」
「女房と行ったがあんなええところとは思わなんだ。」
「どの季節に行っても、どの時間に行ってもまっことええき。」
と口を揃えて言うので時間を見つけて行ってみたら…

これがまぁ信じられないくらい「ええところ」だったんである。





初めて見る風景にノスタルジーなどあるわけもなく、
なのに立つだけで思わず涙の出るような風景が拡がっていた。
誰の原風景でもないくせに、誰だって心を置き去りにしてきてしまうだろう。

それでも身体は社会に帰らないといけない。






天狗高原は四国カルストと呼ばれる台地の一角だ。
四国カルストは日本三大カルストの一つ。
(ほかは山口県の秋吉台と福岡県の平尾台。)

カルストとはざっくり言うと
石灰岩のように水に溶けやすい岩石で構成された大地が
雨水等によって溶食されてできた地形のこと。






尾根線に細い車道が切り通され、
脇には眠る羊のような石灰岩がゴロゴロリズミカルに転がっている。

その間をもぞもぞ動く黒い塊は牛。
鼻息荒く、いつまでも足元の草を食い続けている。
食べ物の上で歩いてうんこして寝るってどんな気分なんだろうか。






動かない石灰岩の表面は透明さを湛えていて
じっと見ていると吸い込まれるようだ。

なにか寂しげな表情にはわけがある。
なぜってこいつは死体だからな。
それもひとつどころじゃない、何千、何万という亡骸の集合体だぜ。


+++


石灰岩の成因には「生物起源」と「化学的沈殿」の2種類がある。
日本の石灰岩の多くは生物起源らしい。
有孔虫、ウミユリ、サンゴ、貝、石灰藻などの生物の殻が堆積して出来ている。

化学的に言えばそれらは炭酸カルシウムの集合体だから、大量の二酸化炭素を含む。
仮に地球上の石灰岩がすべて熱分解した場合、地球の気温は300度上昇する。



300度



この温度は、数知れず燃え尽きた命の温度と言わせてくださいよ。
いつ始まったか知れない生命の、西暦2000年ちょっとまでのエネルギーを
全て集結したときに発し得る力の極めて具体的な数字だ。
つまりは元気玉の温度ですよ。


かつて地球上にあった燃え尽きた命が分解したら、いま地球上にある命が全て燃え尽きる。
しかし優しい彼らは、様々な怨念もあるだろうが、なかなか分解しないで僕らを生かしてくれている。

まったくありがたいものだ。


+++


生命性とは量そのものに現れる。
気の遠くなる時間と、気の遠くなる身体の数。

ネットにおける生命性も、圧倒的な情報量のうねりとゆくえに
ただひたすら感動する心がかたちづくる白昼夢なのだ。

その単位ひとつひとつの内容なんてつまらないものに、神は宿らない。






天国というべきか神奈備(かんなび)というべきか、山岳信仰の入り口へ理科的に迷い込み、
すがすがしき怨念の塊に囲まれて熱されて、僕の身体は融解してしまった。
おかげで魂がまだあそこから帰ってこない。


今年の夏は摂氏330度。
自分史上最高気温の夏であった。

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