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02月 08日 07:10   /  FDmountwill_millsの日記
[社会] #LRAJ2010 Ust配信 PCの前でぶっ続けで見た

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「アートと建築:今わたしたちが表現したいこと」実況レビュー05

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第5部、ラストセッションのレビューです。


+++

■プレゼンテーション

・藤本幸三さん



メゾンエルメスはもともと展示スペースではなく多目的スペースだった。
想定されていなかったものなので
搬入や外光の取入れ方は美術館の常識外であり、使い勝手もよくない。
しかし作家にはポジティヴして制約として楽しんでもらうことで
ここでしか出来ない展示というものが実現されているのではないか。
作ってほしいものが前持って規定されないのが良いと考えている。


・西沢立衛さん



アートは建築の設計を通して断片的に関わることはある、という程度。
これまで美術館設計の大事な設計の原則は
「建築と美術を一体化しない」ことだった。
施設として成立する以上、空間に汎用性が求められるのが常だったが、
直島の美術館計では両者の一体化を求められた。
建築というより周囲と連続した環境的なものを作ることで、
建築もアートも等価な立場で共存することが出来る。


+++

■相互インタビュー



・藤本さん→西沢さん
どのような美術館建築に魅力を感じてきたか。

→西沢さん回答
これまで見てきたものでいいなと思うものは、
やはりその場の持つ環境や文化と決して切り離せないもの。
環境との包含関係
→建築にとっては都市との関係
→アートにとっては建築との関係
を丁寧に作ってあげることではないか。


・藤本さん→西沢さん

金沢21世紀美術館も作家にとっては使いづらいはずなのだが、
オラファー・エリアソン展では本人が驚くほど作品が空間におさまっていた。
使い勝手、ファンクションを超えたおさまり感を作り出すものは何か?
モジュールの操作はどうだったのか?

→西沢さん回答
実は身体との関係ではないところで決めている。
搬入のためのカローラが通れるカーブをもとにすると
芯々で3mというグリッドモジュールが与件としてあった。
ただ、壁のあり方や単位空間同士の関係で
プロポーションやスケールとはまた別の
作品との関係が作られることを意識していた。
実を言えば、もうちょっと壁に穴を空けたかったが、
提案に寛容なニューミュージアムの人たちですら
壁に穴を空けるのは拒絶反応を示した。

→藤本さん
予定されているところに作品が入ること、よりも
予定されないことに置かれる驚き、が新たな展示空間を生むと考える。



・西沢さん→藤本さん
メゾンエルメスのダイレクションをもう少し詳しく聞かせてください。

ほかでやれない展示企画を行うということは意識している。
非常に不自由な空間が故に発想を自由にしてもらいたい。
その意味で前もって作家があまりビジョンを持たないことをむしろ歓迎している。
ギャラリーは展示する場所というより、人と人が出会う場所なので、
作家を含めてどういう体験が出来るかが重要だと考えている。



・藤本さん→西沢さん
直島の美術館で見られたオーガニックな曲線は今後展開していくか?

→西沢さん回答
カーブがすごく好きで、
好きな建築家はみな魅力的なカーブを描く。
ゲーリー、ニーマイヤー、サーリネン、ライト…
しかし使いどころが肝心で、
カーブがきちんと魅力的に見える条件でカーブを用いたい。
与件のチャンス次第で、小住宅で用いるのは難しいかもしれない。




・西沢さん→藤本さん
世界中の美術館でどういう美術館がいいな、というのはどこか?
 
→藤本さん回答
バーゼルのバイヤラー美術館など。光線が良い。
その環境と切り離せないことが生き生きとした人中心の美術館を作る。
作品だけを見に行くのではなくて、
環境を体験しにいくという気持ちで美術館を訪れたい。
色んな行動が許容されているということは空間として豊かだということだと思う。


→西沢さん
展示されている部分が美術館で、その外が交流館、
と言う必要のない空間がつくりたい。
美術館という概念が自然と変わっていくということに興味がある。
本来幼稚園と言われたものと公民館と言われたものが合体したときに
みんながこれをなんて呼んだら良いのか、という領域のものを目指したい。
作家、建築家のみならず色んな人が美術館という概念に触れられる状況がつくりたい。
現代美術のは非常に重要な条件は、作家がまだ生きているということがある。
作家に提案が出来るということで、
より概念の変化にタッチしていける設計がしたい。


+++

■JPレビュー

5つのセッションを通して、
「アートと建築の関係」という根源的な問いが
だんだんと「美術館と作品の関係」という
具体的な問題になっていったが、
これまで経験的、慣習的に固定化されていったつくりや概念を解体して
流動的な状態をつくるというビジョンは共通していた。

作品自体も、美術館のプランも、
固定化されたものを思考停止状態で用いるのではなく、
もともと人間の触れている自然、都市、身体というものの持つ
動的な特性へ重ねていくことが両者で試みられていることがわかった。

そこへ方法論を持ち、社会へマニフェストしていくか、
もしくは自身が確実に感じ取れるリアリティだけを頼りに黙々と作品を作っていくか、、
それからのスタンスは多様なものが求められている。
今回多様な表現を目の当たりにして、
そのどちらも実現するものは物、人、社会、歴史への絶えない観察と実践である
ということが見て取れた。



大急ぎの乱暴なレビューでしたが、ご覧いただき本当にありがとうございました。



今後ともAARの活動をよろしくお願いいたします。
AARプロデューサーの今福さんと吉岡さんと編集チーム一同


+++
『AAR』&『G-tokyo 2010』共催トークセッション:
「アートと建築:今わたしたちが表現したいこと」実況レビューINDEX:

第1部:藤村龍至(建築家)× 中村竜治(建築家)× 長谷川豪(建築家)
第2部:金氏徹平(アーティスト)× 永山祐子(建築家)
第3部:名和晃平(アーティスト)× 石上純也(建築家)
第4部:杉本博司(アーティスト)× 青木淳(建築家)
第5部:藤本幸三(エルメスジャポン執行役員)× 西沢立衛(建築家)

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