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「新しい建築のことば」シンポジウム

今週末、アーキフォーラムの最終回に登壇します。


シリーズテーマ:「新しい建築のことば」

関西を拠点とする建築家・デザイナーが、現在対談したいゲストをお招きし、考えている事、つくっている作品から、各回キーワードをもとに議論を進めていきます。archiforum in OSAKA 2012-2013では、「新しい建築のことば」を発見し、会場参加者と問題共有できる機会にしていければと思います。

archiforum in OSAKA 2012-2013 第7回
「新しい建築のことば」シンポジウム

日時:2013年5月25日(土)17時~19時(開場16時30分)

香川貴範(建築家)×田頭章徳(神戸芸術工科大学助教、Design Soilディレクター)×金野千恵(建築家)×畑友洋(建築家)×今津康夫(建築家)×島田陽(建築家)司会:山口陽登(建築家)

会場:中之島デザインミュージアム de sign de>
   (大阪市北区中之島5-3-56 中之島バンクスEAST)
定員:80名(当日先着順)
参加費:一般1000円 学生500円
問合せ:柳々堂書店 tel:06-6443-0167

是非ご参加ください。

庭の形

現在発売中の新建築 住宅特集2013年5月号に「庭の形」という作品が掲載されています。築20年のハウスメーカーによる建売住宅のリノベーションです。是非御覧ください。



郊外住宅開発地
マンションから移り住む若い夫婦が沿線から選んだのは、生駒山を切り開いた典型的な郊外住宅開発地に建つ築20年以上を経たハウスメーカーの中古物件だった。彼らは当初からリフォームを想定しており、外観を含めた全面的なリフォームを望んでいた。
この開発地は道路巾や隣棟間隔が比較的広く取られ、住戸に南庭がある計画学的には良く出来た街である。ただ、各々のハウスメーカーによる住宅は良く見ると違った意匠なのだが、短期間にほとんど全ての街が作られたため、とても均質な街並みが続いていた。これらの住宅は独自に開発された軽量鉄骨部材で作られ、通常の確認申請では無く型式適合認定を受けるため、外形や柱位置を変えるなどの木造住宅のような自由度でリフォームを行うことは難しい。

庭の形
夫婦が手にした住宅は、当初、南側に広く取られた庭の半分以上が駐車場で既成品のカーポートが架けられており、残りには手入れされていない植栽が放置された状態であった。
そこでリビングと同程度のコンクリート平面を南庭に取り、一部を持ち上げ下部を駐車場とすることで、庭と駐車場を平面的に重ねる計画とした。両者が重なる部分は段状の庭として2Fレベルまで迫り上がり、住戸建物との垂直的な関係を作り出す。またこの平面はリビングやキッチンと独立した通路で繋がれ、スチール製の屋外家具が置かれることで、晴れた日の屋外リビングとして使われる。壁面線が指定されているため通常より広い隣地との隙間に配置された通路は、屋外リビングと同様に周囲とのコミュニケーションを形づくる。
1階は複数の小部屋をまとめて大きなワンルームとして計画し、その際現れる既存の軽量鉄骨柱を棚やハンガー、時計、照明などの機能を加えることで家具化した。



住宅の外観
住宅の外観は、本体の外形だけで作られるわけではない。塀や門扉、倉庫、カーポート、ポスト、植木などの敷地外に現れる多くの要素との総体がその外観を作り出す。高級住宅街の高い塀がそこに住む人の周囲に対する不信感を表してしまう様に、これらの要素が都市に発するメッセージは大きい。
この計画では、建築より小さな家具的な要素の在り方をデザインすることで、屋内の使用とその外観を変えることを試みた。この住宅の新しい外観は、周囲に対して信頼とコミュニケーションを求めようとする住人の意図を表現しているはずである。



事務所のウェブサイトでも画像数枚見れます。
http://www.spacspac.com

韓国建築

日韓現代建築交流展「同じ家、違う家」の撤収を兼ねて、クロージングディスカッションに参加して来ました。

ディスカッションでは、各々のチームがキーワードを出しあい、セッション毎に議論が進み、最終的には日本と韓国に建つ2つのザハ・ハディッドの建築(日本の国立競技場と韓国の東大門歴史文化公園)をフックに、建築と政治の関係についての議論が行われました。

この展覧会の企画者である、O.C.A.の Lim Jae Yong 氏とみかんぐみの曽我部昌史氏は、2011年にも横浜のBankART1929で韓国の建築家を紹介する展覧会「韓国建築の新たな地平-NEW HORIZON in Korean Architecture」を開催しています。

政治的には難しい問題が残る両国ですが、このような機会が増えることを願っています。


以下、韓国で見た建築を幾つかを紹介します。

まずは韓屋(ハノク)。韓国の伝統的な住宅で日本と同様に木造建築ですが、日本の民家に比べて屋根が寺社のよう。オンドル(伝統的な韓国の床下暖房。昔の熱源は火でしたが、最近は温水が使われているらしいです。)があるのでとても暖かいです。ちなみに滞在時の気温は-10度でしたがTシャツで寝ることが出来ました。




地下鉄安国駅の近くにあるこの地域には韓屋が多く残っており、現在はリノベーションされて、ゲストハウスや店舗として使われています。




東大門歴史文化公園近くにある京東教会。設計は金壽根(キム・スグン)。東京藝大と東大にも在籍していたことのある建築家。この他にも韓国の建築雑誌「SPACE」の社屋が彼の設計です。
東大門歴史文化公園はまだ工事中ですが、公園部分は既に営業されています。




最後は日本語も堪能な、韓国人建築家Changhyun Parkさんが在籍するSAAIの作品。

今回出展していた集合住宅。慣習的な集合住宅のボリュームとボキャブラリーを使いながら、それらの組合せをちょっとづつ変えた作品。設備配管への配慮は藤村事務所と共通するところがある気がします。日本の集合住宅にスケールが近く、韓国ではかなり小さいスケール。




同じくSAAIによるAPCの店舗。日本でも馴染み深いフランスのファッションブランド。密集した商業地の中で、小住宅のような建ち方をしてます。裏側の既存店舗との間の隙間を庭として設計。




さすがに撮った写真が多すぎるので、残りはSPACESPACEのWebsiteで御覧ください。

同じ家、違う家2

前回に続いて「同じ家、違う家」の様子です。このブログでは、画像を1度に5枚までしかアップ出来ないので、このようになります。

11/16のオープン当日。まずはホテルまでバスで出迎えがあった後、出展者全員で会食。その後、梨花女子大学のホール(ドミニク・ペロー設計)でオープニングトーク。



大地を割った単純な建築と思いきや、スケールが想像以上でした。地形や大地といった表現はスケールに影響されますね。

まずは、各々のテーマ毎にセッションを分け、各チームが出展作を説明。最後に質疑応答。
自己紹介と問題提起で時間切れといった感じなので、12/8のクロージング・ディスカッションで続きが行われるはずです。




その後、TOTAL MUSEUMでレセプション。エントランス付近にはこのような展示もあります。当初は会場のボリュームが大きすぎる気がしましたが、結局は、なんとなく全体が埋まった感じに。




SPACESPACEの展示。なんとか間に合ってます。




上から。各模型は床に描かれたDアパートメントの1/1平面図上に、浴槽・キッチン・冷蔵庫・洗濯機・テーブルとして置かれてます。会場ロフト下の高さが住戸の天井高さと同じだったので、このような展示をしています。




最後に関係者で記念撮影。

日韓現代建築交流展「同じ家、違う家」

韓国ソウルのTOTAL MUSEUMで、日韓現代建築交流展「同じ家、違う家」が開催中です。

日本から、生物建築舎・成瀬猪熊建築設計事務所・大建met・SPACESPACE・藤村龍至建築設計事務所、韓国からは、AND・WISE・DIA・Design Group OZ・SAAIの各5組が参加しています。

会場では日韓の建築家がパートナーを組み、共通のテーマで展示を行っています。
SPACESPACEの個別テーマは"inducing communication"、Design Group OZとの共通テーマは"The way of being together"です。実作を中心に主に6つのプロジェクトを展示しています。




会場のTOTAL MUSEUMはこんな所。平倉洞という高級住宅街にあるギャラリー街に位置しています。この前に開催されたMVRDV展の積木のような展示物がまだ残ってます。映画のロケ地にもなったとかで、日本人のおばさんが来るらしい。




設営初日の様子。とりあえず掃除から始めることに。。極寒の中、23:30頃まで作業してました。




設営2日目。ようやく形になって来た。




SPACESPACEはA3×208枚の図面と7つの模型の他、ラインテープによるDアパートメントの1/1図面を展示してます。赤ラインはパートナーであるDesign Group OZの立面図。2つが重なることで新しい図形が出来上がります。この日は深夜12:30まで作業。写真は終盤。


かなりのボリュームの展覧会です。遠方ですが、是非どうぞ。


タイトル:日韓現代建築交流展「同じ家、違う家」


Theme1: Surrounding Tales
Korea: AND (鄭義燁) Japan: 生物建築舎 (藤野 高志)

Theme2: Gathering and Living
Korea: WISE (張永澈, 全淑姬) Japan: 成瀬猪熊建築設計事務所 (成瀬 友梨, 猪熊 純)

Theme3: living IN.EX urban
Korea: DIA (鄭賢妸) Japan: 大建met (布村葉子, 平野勝雅)

Theme4: The way of being together
Korea: Design Group OZ (申丞秀, 林相進, 崔宰源) Japan: SPACESPACE (香川貴範, 岸上純子)

Theme5: The of Form
Korea: SAAI (朴昶炫, 李眞旿, 任泰柄) Japan: 藤村龍至建築設計事務所 (藤村龍至)

コミッショナー:林宰用(韓国), 曽我部昌史(日本)
会場:TOTAL MUSEUM (韓国・ソウル)
   465-16 Pyeongchang-dong, Jongno-gu, Seoul, Korea
会期:2012年11月16日[金]-12月09日[日]
時間:11:00-18:00|月曜休館
URL:http://www.totalmuseum.org

新しい建築の言葉 + DE03

9月29日(土)に関西のレクチャーシリーズ、アーキフォーラムにて長谷川豪氏と対談します。



アーキフォーラムは、1993年に大阪の建築専門書店「柳々堂」が発行した同名の雑誌がルーツとなっている、1997年から始まった、関西では知る人ぞ知るレクチャーシリーズです。
以降、関西で活躍する建築家がコーディネーターを務め、年間を通じてテーマとゲストを選ぶという形式が続けられて来ました(私も、家成俊勝氏、米津正臣氏と共に2008年から2009年までの間コーディネーターを務めました)。

当初関西では、建築家のレクチャーを聴く場がほとんど無かったため、このような会が開催されましたが、最近では、各大学等が様々なテーマでレクチャーシリーズを行うようになって来ました。

そこで、今期からのアーキフォーラムは主に「議論」を行う会になる予定です。

これまでと違って、毎回コーディネーターが変わり、テーマとゲストを選ぶという形式に変更されます。全体2時間のうち、コーディネーターとゲストが30分づつのレクチャーを行った後、残りの60分は議論に使われます。

第1回はスタディの可能性。スタディ案とその経過についてのレクチャーを行います。私も長谷川氏もそのようなレクチャーをしたことが無いので、是非お見逃しなく。

全6回+シンポジウムの概要は以下の通りです。


年間テーマ:新しい建築の言葉

第1回:2012年9月29日(土)17:00~19:00
長谷川 豪 × 香川 貴範 「スタディの可能性」

第2回:2012年11月17日(土)17:00~19:00
中坊 壮介 × 中坊 壮介 「普通であるということ」

第3回:2013年1月26日(土)17:00~19:00
森田 一弥 × 金野 千恵 「固有性と普遍性」

第4回:2013年 2月23日(土)17:00~19:00
メジロスタジオ × 畑 友洋 「これからの建築と社会的状況」

第5回:2013年 3月30日(土)17:00~19:00
長坂 常 × 今津 康夫 「未定」

第6回:2013年 4月27日(土)17:00~19:00
中山 英之 × 島田 陽 「知覚と認識について」

第7回:2013年5月25日(土)17:00~19:00
「シンポジウム」 香川 貴範 × 田頭 章徳 × 金野 千恵 × 畑 友洋 × 今津 康夫 ×島田 陽

期 間:2012年9月から 計7回 開場16:30 17:00〜19:00(120分)
会 場中之島デザインミュージアム
   530-0005 大阪市北区中之島5-3-56 中之島バンクスEAST
Phone:06-6444-4704 Fax:06-6444-4705
Email:info@designde.jp
定 員:80名程度(当日先着順)
参加費:一般1,000円 学生500円(予約不要)
問合せ:柳々堂書店 06-6443-0167
主 催:archiforum実行委員会


あと、少し遅れましたが、DESIGNEAST03というイベントでレクチャーをしました。



大阪で開催されるのに、日本のWESTではなく世界のEASTを掲げた志の高いイベントです。00から始まって、今年は4回目の03。最早、大阪のデザイン関係者にとっては、夏の終わりの風物詩となっています。

会場はこんな感じ。






毎年ラウンドアバウトも開催されています。

一見の価値あるイベントかと思います。

1.17/3.11 明日への建築展

2/18から3/12まで大阪・梅田で開催される「1.17/3.11 明日への建築展」に出展します。「明日への建築32」の展示です。ギャラリー間『311 失われた街 展』の被災地模型も展示されます。是非お立ち寄りください。

会 場:ASJ UMEDA CELL
   大阪市北区角田町8-1 梅田阪急ビルオフィスタワー24F
会 期:2012年2月18日(土)~3月12日(月)
時 間:11:00 - 19:00/入場無料/会期中無休
   *3月3日(土)、3月11日(日)に記念シンポジウムを開催
主 催:1.17 / 3.11明日への建築 実行委員会
顧 問:高松 伸
企 画:槻橋 修/梅林 克/河井敏明

http://www.tomorrow-archi.jp/

概 要
1. 「失われた街 3.11のための鎮魂の復元模型」
LOST HOMES:The Requiem for 3.11, 14 Reconstruction Models TOTOギャラリー間にて2011/11/2~12/24に開催された展覧会『311 失われた街 展』 において出品された、14の被災地域を1/500で再現した模型展示です。美しい精 巧な白模型によって、一瞬にして失われた日常風景と記憶の風景とが重なり合います。 模型はすべて13大学の学生のボランティアによって制作されました。

2. 明日への建築 32
関西・西日本を拠点として活動する建築家32名が、3.11後の建築や都市の姿を模型やビ ジュアルプレゼンテーションによってリアルなかたちで問いかける展示です。

出展建築家 出江寛、渡辺豊和、吉村篤一、上谷宏二、高松伸、村上徹、岸和郎、宮森洋一郎、木村博昭、久保清一、竹山聖、小川晋一、石丸信明、窪田勝文、遠藤秀平、長坂大、宮本佳明、梅林克、松本正、河井敏明、槻橋修、長田直之、宮島照久、芦澤竜一、竹口健太郎+山本麻子/アルファヴィル、SPACESPACE(香川貴範+岸上純子)、谷尻誠、ドットアーキテクツ(家成俊勝+赤代武志)、前田茂樹、垣内光司、畑友洋、小川文象

3. 1.17の記録:「希望新聞」
1995年1月17日、阪神・淡路大震災が関西を襲った当時、新聞各社は被災の中心地が必 要とする情報を連日、重点的に掲載しました。中でも毎日新聞が翌日からはじめた「希 望新聞」は、復興の最初期におけるメディアの役割を生々しく伝えています。震災後数 週間の同新聞のオリジナルを閲覧展示します。

4. 阪神・淡路大震災+クリエイティブ/タイムライン・マッピングプロジェクト
クリエイティブ・デザインセンター神戸の準備室「KIITO」が1.17後に開始した研究プ ロジェクトのひとつ。阪神・淡路大震災以後の16年間にデザインやアート、そして建築 などのクリエイティブな取り組みの歴史を展示します。ひとつひとつの取り組みをタイ ムラインの中に丹念にプロットした展示は、東日本大震災に有意義な知見をもたらすこ とになるでしょう。


Dアパートメント

なめらかな配置
駅前に建つ、住宅ともビルとも呼べないスケールの集合住宅である。
敷地は、樹齢700年のクスノキがホームと屋根を突き抜けた駅の西側に位置している。ロータリーが整備された割に閑散とした東口に比べ、西口は駐輪場や神社、高架下の商店、小さな屋台のような店舗、クスノキや桜などの街路樹、水路が混在し、地域住民が多く行き交うにぎやかな場所である。
余りに多くの環境に囲われた敷地(形状は5角形)ではあるが、大きなスキームとして、1階店舗が面する西側の道路と敷地北側に長く見える駅の高架、南側の太陽という環境に各々対応しつつも、それらをなめらかに繋ぐような建物を作れないかと考えた。

住戸の形と環境
30㎡程度の単身者用集合住宅は、通常1住戸4m×8m程の平面に水廻りや廊下と8~10畳ほどのリビングが詰め込まれ、住戸バリエーションはキッチンの配置や内装の配色変更で作られる。

1住戸を2m×16mの平面にすると、片方にだけは「広い」通路のような部屋のような空間を作ることが出来る。16mの奥には寝室や水廻りが配置されるが、プランニングにより壁を立てるのではなく、奥が見えなくなるような形に折り曲げることでプライバシーが生み出される。





このような住戸を、1フロアに2戸×3層積み上げた2m巾からなる壁のようなボリュームを敷地境界線に沿って配置し、屋外階段の取付き(階段の取付いた箇所から半分が1住戸)を調整することで、住戸の形と環境の取込による住戸バリエーションを作り出した。



この過程で出来た中庭と階段は、隣地に挟まれた従来の屋外階段のあり方と比べて、随分と快適で親密な場所となった。開口部は2m巾のボリュームを貫通するよう1対でとり、中庭の通風と採光を建物越に確保する計画とした。



間取り的想像力
多くの人が何度か経験している「部屋探し」、そこで見る「間取り」はとても多様である。異様に大きなバルコニーが付いていたり、部屋が異常に入り組んでいたり、極端に細長かったり。このような賃貸アパート特有の面白さは、建築デザインにとって、これまでは見出される対象でしかなかった。
この計画で試みたのは、賃貸アパートで発見された「間取り的想像力」を設計の方法論に取り込むことであった。新しい集合住宅を作る可能性は、既に都市に溢れているはずである。



竣工写真が間に合ってないので、図面多めに掲載。写真も後日掲載します。

このアパート、明日発売の新建築2月号に掲載されるので詳しくはそちらでどうぞ。

日常・構成・工学

2012年1月30日、藤村龍至氏とSPACESPACEが大阪で対談します。同窓生とは言え、公的な場での対談は初めてです。日常・構成・工学の先へ進む議論、是非ご参加ください。


藤村龍至 × 香川貴範・岸上純子/ SPACESPACE

テーマ:「日常・構成・工学」

日時:2012 年1 月30 日( 月) 18:30 ~ 20:30 開場18:00

会場:大光電機( 株)ライティング・コア大阪(大阪市中央区高麗橋3-2-7)
   ORIX 高麗橋ビル 1F TEL 06 6222 6224
会費:一般1,000 円 学生500 円(住宅部会員及び同スタッフは無料)
定員:80 人(申込先着順)
主催:(社) 日本建築家協会(JIA)近畿支部住宅部会
申込み・問い合せ:申込はFAX or e-mail で下記連絡先へ

山﨑康弘/シンプレックス一級建築士事務所
TEL:078 846 1757 FAX:078 846 1758
mail:jia@simplex-arc.com

グリーンヒル

大阪から電車で2時間程の距離に位置する、島ヶ原という駅の目の前にある製材所を閉鎖するに当たって、ランドスケープデザイナー(最近はコミュニティデザイナーと名乗っている)の山崎亮氏に、その跡地を人が集まる公園にして欲しいという依頼があった。



しかし、敷地を見た山崎氏はランドスケープデザイナーであったにも関わらず、公園を作る仕事を放棄した。公園を作ることがホントにその地域のためになり、人が集まる場所になるのかと考えた結果、むしろ、既にある製材所の設備を利用して、大阪や京都に住む若い人が集まる場所を作ることを考えた。週末に自分で家具を作りに行き、出来た家具を持って帰るというプログラムである。

食堂は既に製材所にあり、近所には温浴施設もある。あとは寝る場所を作れば、プログラムが進められる。このような経緯で「寝床」の設計はスタートした。

詳しい経緯は山崎亮氏の著書「コミュニティデザイン-人がつながるしくみをつくる」に譲る。(建築だけでなく、デザインを志す人全てに読んで貰いたい)

寝床の設計に際しては、まず以下のような建設条件が与えられた。
・用途:主に寝室として利用する。2~3人で利用する。
・面積:各棟は9.6㎡の敷地内に納まる大きさのものとする。(4.5畳を目安とする)
・構造:原則、木造平屋建てとする。
・屋根:必ず屋根をかける。
・敷地内に共有スペースを設ける。共有スペースには開口部を設ける。
・古材を積極的に利用する。

当初は何棟建てられるかも決まってない状態であった。上記のような経緯と条件を踏まえ、まずプロジェクトの最初にどのような寝床を建てるべきかを考えた。

この様な林間学校的イベントにおいて、寝る時間というのは、活動時間のほんの一部に過ぎない。むしろ上記の様なプログラムや交流の全体を、「寝床」のデザインに定着出来ないかと考えた。

2.4m×2.4m平面の屋上を開放し、近接する他の棟や広場と立体的な関係を作り出す「丘」を計画した。黒板塗料で塗装した外壁の開口部には、兆番で吊り込んだ椅子や机などの家具を建具として取り付けた。椅子と机が製材所の中に並べられ、外壁の黒板等とセットになることで、様々なプログラムや交流を作り出す。また、その過程で外壁に書かれた文字や図形は、簡単に塗り替えられる模様として、この「寝床」を再デザインし続けることになる。





構造計画:小規模な小屋であることと、既にある木材を使用するため、45x45のスギ角材という基本部材で構成された骨組を、幅200mm×厚さ20mmのスギ板材で補助する構造とした。この板材を、外壁を縦貼り/内壁を横貼りとして、スラブも同様に、床と天井の板材を90度向きを変えて貼ることで、サンドイッチパネルの方向性を相殺した。 縦貼りの外壁板は、柱の座屈強度を高めている。釘打ちにより壁板と一体化された柱の座屈強度は、45×45の柱単体の4倍の強度にもなる。横貼りの内壁板は水平力に抵抗する耐震要素となる

ホヅプロの第一期として、2007年夏から設計が始まったSPACESPACE棟は、寝床の建設自体もホヅプロの一環として行われ、学生ボランティアの施工部隊によって2008年秋に竣工した。





その後、各期2棟づつ作り続け、第3期までに6棟が竣工しているほか、製材所の外にも、広場等の幾つかの施設が付け加えられ、当初の目的であった木工体験ツアーも行われている。

建設プロジェクトに参加していた学生が、社会人になった今でも故郷のように島ヶ原を訪れることが多いというホヅプロ。建物は新建築2011年10月号に掲載されているので、是非ご覧頂きたいが、建物だけを見ても、このプロジェクトの熱を持った空間は体験出来ないだろう。
関西方面へ旅行の際は是非立ち寄られてはどうだろうか?建物等の方法を用いてデザインされたそもそもの目的が垣間見られるはずである。
今後どのように動いていくのかが楽しみなプロジェクトである。

ホヅプロ(穂積製材所プロジェクト)
Studio-Lのホヅプロ紹介ページ

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