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庭の形

現在発売中の新建築 住宅特集2013年5月号に「庭の形」という作品が掲載されています。築20年のハウスメーカーによる建売住宅のリノベーションです。是非御覧ください。



郊外住宅開発地
マンションから移り住む若い夫婦が沿線から選んだのは、生駒山を切り開いた典型的な郊外住宅開発地に建つ築20年以上を経たハウスメーカーの中古物件だった。彼らは当初からリフォームを想定しており、外観を含めた全面的なリフォームを望んでいた。
この開発地は道路巾や隣棟間隔が比較的広く取られ、住戸に南庭がある計画学的には良く出来た街である。ただ、各々のハウスメーカーによる住宅は良く見ると違った意匠なのだが、短期間にほとんど全ての街が作られたため、とても均質な街並みが続いていた。これらの住宅は独自に開発された軽量鉄骨部材で作られ、通常の確認申請では無く型式適合認定を受けるため、外形や柱位置を変えるなどの木造住宅のような自由度でリフォームを行うことは難しい。

庭の形
夫婦が手にした住宅は、当初、南側に広く取られた庭の半分以上が駐車場で既成品のカーポートが架けられており、残りには手入れされていない植栽が放置された状態であった。
そこでリビングと同程度のコンクリート平面を南庭に取り、一部を持ち上げ下部を駐車場とすることで、庭と駐車場を平面的に重ねる計画とした。両者が重なる部分は段状の庭として2Fレベルまで迫り上がり、住戸建物との垂直的な関係を作り出す。またこの平面はリビングやキッチンと独立した通路で繋がれ、スチール製の屋外家具が置かれることで、晴れた日の屋外リビングとして使われる。壁面線が指定されているため通常より広い隣地との隙間に配置された通路は、屋外リビングと同様に周囲とのコミュニケーションを形づくる。
1階は複数の小部屋をまとめて大きなワンルームとして計画し、その際現れる既存の軽量鉄骨柱を棚やハンガー、時計、照明などの機能を加えることで家具化した。



住宅の外観
住宅の外観は、本体の外形だけで作られるわけではない。塀や門扉、倉庫、カーポート、ポスト、植木などの敷地外に現れる多くの要素との総体がその外観を作り出す。高級住宅街の高い塀がそこに住む人の周囲に対する不信感を表してしまう様に、これらの要素が都市に発するメッセージは大きい。
この計画では、建築より小さな家具的な要素の在り方をデザインすることで、屋内の使用とその外観を変えることを試みた。この住宅の新しい外観は、周囲に対して信頼とコミュニケーションを求めようとする住人の意図を表現しているはずである。



事務所のウェブサイトでも画像数枚見れます。
http://www.spacspac.com

韓国建築

日韓現代建築交流展「同じ家、違う家」の撤収を兼ねて、クロージングディスカッションに参加して来ました。

ディスカッションでは、各々のチームがキーワードを出しあい、セッション毎に議論が進み、最終的には日本と韓国に建つ2つのザハ・ハディッドの建築(日本の国立競技場と韓国の東大門歴史文化公園)をフックに、建築と政治の関係についての議論が行われました。

この展覧会の企画者である、O.C.A.の Lim Jae Yong 氏とみかんぐみの曽我部昌史氏は、2011年にも横浜のBankART1929で韓国の建築家を紹介する展覧会「韓国建築の新たな地平-NEW HORIZON in Korean Architecture」を開催しています。

政治的には難しい問題が残る両国ですが、このような機会が増えることを願っています。


以下、韓国で見た建築を幾つかを紹介します。

まずは韓屋(ハノク)。韓国の伝統的な住宅で日本と同様に木造建築ですが、日本の民家に比べて屋根が寺社のよう。オンドル(伝統的な韓国の床下暖房。昔の熱源は火でしたが、最近は温水が使われているらしいです。)があるのでとても暖かいです。ちなみに滞在時の気温は-10度でしたがTシャツで寝ることが出来ました。




地下鉄安国駅の近くにあるこの地域には韓屋が多く残っており、現在はリノベーションされて、ゲストハウスや店舗として使われています。




東大門歴史文化公園近くにある京東教会。設計は金壽根(キム・スグン)。東京藝大と東大にも在籍していたことのある建築家。この他にも韓国の建築雑誌「SPACE」の社屋が彼の設計です。
東大門歴史文化公園はまだ工事中ですが、公園部分は既に営業されています。




最後は日本語も堪能な、韓国人建築家Changhyun Parkさんが在籍するSAAIの作品。

今回出展していた集合住宅。慣習的な集合住宅のボリュームとボキャブラリーを使いながら、それらの組合せをちょっとづつ変えた作品。設備配管への配慮は藤村事務所と共通するところがある気がします。日本の集合住宅にスケールが近く、韓国ではかなり小さいスケール。




同じくSAAIによるAPCの店舗。日本でも馴染み深いフランスのファッションブランド。密集した商業地の中で、小住宅のような建ち方をしてます。裏側の既存店舗との間の隙間を庭として設計。




さすがに撮った写真が多すぎるので、残りはSPACESPACEのWebsiteで御覧ください。

同じ家、違う家2

前回に続いて「同じ家、違う家」の様子です。このブログでは、画像を1度に5枚までしかアップ出来ないので、このようになります。

11/16のオープン当日。まずはホテルまでバスで出迎えがあった後、出展者全員で会食。その後、梨花女子大学のホール(ドミニク・ペロー設計)でオープニングトーク。



大地を割った単純な建築と思いきや、スケールが想像以上でした。地形や大地といった表現はスケールに影響されますね。

まずは、各々のテーマ毎にセッションを分け、各チームが出展作を説明。最後に質疑応答。
自己紹介と問題提起で時間切れといった感じなので、12/8のクロージング・ディスカッションで続きが行われるはずです。




その後、TOTAL MUSEUMでレセプション。エントランス付近にはこのような展示もあります。当初は会場のボリュームが大きすぎる気がしましたが、結局は、なんとなく全体が埋まった感じに。




SPACESPACEの展示。なんとか間に合ってます。




上から。各模型は床に描かれたDアパートメントの1/1平面図上に、浴槽・キッチン・冷蔵庫・洗濯機・テーブルとして置かれてます。会場ロフト下の高さが住戸の天井高さと同じだったので、このような展示をしています。




最後に関係者で記念撮影。

日韓現代建築交流展「同じ家、違う家」

韓国ソウルのTOTAL MUSEUMで、日韓現代建築交流展「同じ家、違う家」が開催中です。

日本から、生物建築舎・成瀬猪熊建築設計事務所・大建met・SPACESPACE・藤村龍至建築設計事務所、韓国からは、AND・WISE・DIA・Design Group OZ・SAAIの各5組が参加しています。

会場では日韓の建築家がパートナーを組み、共通のテーマで展示を行っています。
SPACESPACEの個別テーマは"inducing communication"、Design Group OZとの共通テーマは"The way of being together"です。実作を中心に主に6つのプロジェクトを展示しています。




会場のTOTAL MUSEUMはこんな所。平倉洞という高級住宅街にあるギャラリー街に位置しています。この前に開催されたMVRDV展の積木のような展示物がまだ残ってます。映画のロケ地にもなったとかで、日本人のおばさんが来るらしい。




設営初日の様子。とりあえず掃除から始めることに。。極寒の中、23:30頃まで作業してました。




設営2日目。ようやく形になって来た。




SPACESPACEはA3×208枚の図面と7つの模型の他、ラインテープによるDアパートメントの1/1図面を展示してます。赤ラインはパートナーであるDesign Group OZの立面図。2つが重なることで新しい図形が出来上がります。この日は深夜12:30まで作業。写真は終盤。


かなりのボリュームの展覧会です。遠方ですが、是非どうぞ。


タイトル:日韓現代建築交流展「同じ家、違う家」


Theme1: Surrounding Tales
Korea: AND (鄭義燁) Japan: 生物建築舎 (藤野 高志)

Theme2: Gathering and Living
Korea: WISE (張永澈, 全淑姬) Japan: 成瀬猪熊建築設計事務所 (成瀬 友梨, 猪熊 純)

Theme3: living IN.EX urban
Korea: DIA (鄭賢妸) Japan: 大建met (布村葉子, 平野勝雅)

Theme4: The way of being together
Korea: Design Group OZ (申丞秀, 林相進, 崔宰源) Japan: SPACESPACE (香川貴範, 岸上純子)

Theme5: The of Form
Korea: SAAI (朴昶炫, 李眞旿, 任泰柄) Japan: 藤村龍至建築設計事務所 (藤村龍至)

コミッショナー:林宰用(韓国), 曽我部昌史(日本)
会場:TOTAL MUSEUM (韓国・ソウル)
   465-16 Pyeongchang-dong, Jongno-gu, Seoul, Korea
会期:2012年11月16日[金]-12月09日[日]
時間:11:00-18:00|月曜休館
URL:http://www.totalmuseum.org

新しい建築の言葉 + DE03

9月29日(土)に関西のレクチャーシリーズ、アーキフォーラムにて長谷川豪氏と対談します。



アーキフォーラムは、1993年に大阪の建築専門書店「柳々堂」が発行した同名の雑誌がルーツとなっている、1997年から始まった、関西では知る人ぞ知るレクチャーシリーズです。
以降、関西で活躍する建築家がコーディネーターを務め、年間を通じてテーマとゲストを選ぶという形式が続けられて来ました(私も、家成俊勝氏、米津正臣氏と共に2008年から2009年までの間コーディネーターを務めました)。

当初関西では、建築家のレクチャーを聴く場がほとんど無かったため、このような会が開催されましたが、最近では、各大学等が様々なテーマでレクチャーシリーズを行うようになって来ました。

そこで、今期からのアーキフォーラムは主に「議論」を行う会になる予定です。

これまでと違って、毎回コーディネーターが変わり、テーマとゲストを選ぶという形式に変更されます。全体2時間のうち、コーディネーターとゲストが30分づつのレクチャーを行った後、残りの60分は議論に使われます。

第1回はスタディの可能性。スタディ案とその経過についてのレクチャーを行います。私も長谷川氏もそのようなレクチャーをしたことが無いので、是非お見逃しなく。

全6回+シンポジウムの概要は以下の通りです。


年間テーマ:新しい建築の言葉

第1回:2012年9月29日(土)17:00~19:00
長谷川 豪 × 香川 貴範 「スタディの可能性」

第2回:2012年11月17日(土)17:00~19:00
中坊 壮介 × 中坊 壮介 「普通であるということ」

第3回:2013年1月26日(土)17:00~19:00
森田 一弥 × 金野 千恵 「固有性と普遍性」

第4回:2013年 2月23日(土)17:00~19:00
メジロスタジオ × 畑 友洋 「これからの建築と社会的状況」

第5回:2013年 3月30日(土)17:00~19:00
長坂 常 × 今津 康夫 「未定」

第6回:2013年 4月27日(土)17:00~19:00
中山 英之 × 島田 陽 「知覚と認識について」

第7回:2013年5月25日(土)17:00~19:00
「シンポジウム」 香川 貴範 × 田頭 章徳 × 金野 千恵 × 畑 友洋 × 今津 康夫 ×島田 陽

期 間:2012年9月から 計7回 開場16:30 17:00〜19:00(120分)
会 場中之島デザインミュージアム
   530-0005 大阪市北区中之島5-3-56 中之島バンクスEAST
Phone:06-6444-4704 Fax:06-6444-4705
Email:info@designde.jp
定 員:80名程度(当日先着順)
参加費:一般1,000円 学生500円(予約不要)
問合せ:柳々堂書店 06-6443-0167
主 催:archiforum実行委員会


あと、少し遅れましたが、DESIGNEAST03というイベントでレクチャーをしました。



大阪で開催されるのに、日本のWESTではなく世界のEASTを掲げた志の高いイベントです。00から始まって、今年は4回目の03。最早、大阪のデザイン関係者にとっては、夏の終わりの風物詩となっています。

会場はこんな感じ。






毎年ラウンドアバウトも開催されています。

一見の価値あるイベントかと思います。

Dアパートメント

なめらかな配置
駅前に建つ、住宅ともビルとも呼べないスケールの集合住宅である。
敷地は、樹齢700年のクスノキがホームと屋根を突き抜けた駅の西側に位置している。ロータリーが整備された割に閑散とした東口に比べ、西口は駐輪場や神社、高架下の商店、小さな屋台のような店舗、クスノキや桜などの街路樹、水路が混在し、地域住民が多く行き交うにぎやかな場所である。
余りに多くの環境に囲われた敷地(形状は5角形)ではあるが、大きなスキームとして、1階店舗が面する西側の道路と敷地北側に長く見える駅の高架、南側の太陽という環境に各々対応しつつも、それらをなめらかに繋ぐような建物を作れないかと考えた。

住戸の形と環境
30㎡程度の単身者用集合住宅は、通常1住戸4m×8m程の平面に水廻りや廊下と8~10畳ほどのリビングが詰め込まれ、住戸バリエーションはキッチンの配置や内装の配色変更で作られる。

1住戸を2m×16mの平面にすると、片方にだけは「広い」通路のような部屋のような空間を作ることが出来る。16mの奥には寝室や水廻りが配置されるが、プランニングにより壁を立てるのではなく、奥が見えなくなるような形に折り曲げることでプライバシーが生み出される。





このような住戸を、1フロアに2戸×3層積み上げた2m巾からなる壁のようなボリュームを敷地境界線に沿って配置し、屋外階段の取付き(階段の取付いた箇所から半分が1住戸)を調整することで、住戸の形と環境の取込による住戸バリエーションを作り出した。



この過程で出来た中庭と階段は、隣地に挟まれた従来の屋外階段のあり方と比べて、随分と快適で親密な場所となった。開口部は2m巾のボリュームを貫通するよう1対でとり、中庭の通風と採光を建物越に確保する計画とした。



間取り的想像力
多くの人が何度か経験している「部屋探し」、そこで見る「間取り」はとても多様である。異様に大きなバルコニーが付いていたり、部屋が異常に入り組んでいたり、極端に細長かったり。このような賃貸アパート特有の面白さは、建築デザインにとって、これまでは見出される対象でしかなかった。
この計画で試みたのは、賃貸アパートで発見された「間取り的想像力」を設計の方法論に取り込むことであった。新しい集合住宅を作る可能性は、既に都市に溢れているはずである。



竣工写真が間に合ってないので、図面多めに掲載。写真も後日掲載します。

このアパート、明日発売の新建築2月号に掲載されるので詳しくはそちらでどうぞ。

グリーンヒル

大阪から電車で2時間程の距離に位置する、島ヶ原という駅の目の前にある製材所を閉鎖するに当たって、ランドスケープデザイナー(最近はコミュニティデザイナーと名乗っている)の山崎亮氏に、その跡地を人が集まる公園にして欲しいという依頼があった。



しかし、敷地を見た山崎氏はランドスケープデザイナーであったにも関わらず、公園を作る仕事を放棄した。公園を作ることがホントにその地域のためになり、人が集まる場所になるのかと考えた結果、むしろ、既にある製材所の設備を利用して、大阪や京都に住む若い人が集まる場所を作ることを考えた。週末に自分で家具を作りに行き、出来た家具を持って帰るというプログラムである。

食堂は既に製材所にあり、近所には温浴施設もある。あとは寝る場所を作れば、プログラムが進められる。このような経緯で「寝床」の設計はスタートした。

詳しい経緯は山崎亮氏の著書「コミュニティデザイン-人がつながるしくみをつくる」に譲る。(建築だけでなく、デザインを志す人全てに読んで貰いたい)

寝床の設計に際しては、まず以下のような建設条件が与えられた。
・用途:主に寝室として利用する。2~3人で利用する。
・面積:各棟は9.6㎡の敷地内に納まる大きさのものとする。(4.5畳を目安とする)
・構造:原則、木造平屋建てとする。
・屋根:必ず屋根をかける。
・敷地内に共有スペースを設ける。共有スペースには開口部を設ける。
・古材を積極的に利用する。

当初は何棟建てられるかも決まってない状態であった。上記のような経緯と条件を踏まえ、まずプロジェクトの最初にどのような寝床を建てるべきかを考えた。

この様な林間学校的イベントにおいて、寝る時間というのは、活動時間のほんの一部に過ぎない。むしろ上記の様なプログラムや交流の全体を、「寝床」のデザインに定着出来ないかと考えた。

2.4m×2.4m平面の屋上を開放し、近接する他の棟や広場と立体的な関係を作り出す「丘」を計画した。黒板塗料で塗装した外壁の開口部には、兆番で吊り込んだ椅子や机などの家具を建具として取り付けた。椅子と机が製材所の中に並べられ、外壁の黒板等とセットになることで、様々なプログラムや交流を作り出す。また、その過程で外壁に書かれた文字や図形は、簡単に塗り替えられる模様として、この「寝床」を再デザインし続けることになる。





構造計画:小規模な小屋であることと、既にある木材を使用するため、45x45のスギ角材という基本部材で構成された骨組を、幅200mm×厚さ20mmのスギ板材で補助する構造とした。この板材を、外壁を縦貼り/内壁を横貼りとして、スラブも同様に、床と天井の板材を90度向きを変えて貼ることで、サンドイッチパネルの方向性を相殺した。 縦貼りの外壁板は、柱の座屈強度を高めている。釘打ちにより壁板と一体化された柱の座屈強度は、45×45の柱単体の4倍の強度にもなる。横貼りの内壁板は水平力に抵抗する耐震要素となる

ホヅプロの第一期として、2007年夏から設計が始まったSPACESPACE棟は、寝床の建設自体もホヅプロの一環として行われ、学生ボランティアの施工部隊によって2008年秋に竣工した。





その後、各期2棟づつ作り続け、第3期までに6棟が竣工しているほか、製材所の外にも、広場等の幾つかの施設が付け加えられ、当初の目的であった木工体験ツアーも行われている。

建設プロジェクトに参加していた学生が、社会人になった今でも故郷のように島ヶ原を訪れることが多いというホヅプロ。建物は新建築2011年10月号に掲載されているので、是非ご覧頂きたいが、建物だけを見ても、このプロジェクトの熱を持った空間は体験出来ないだろう。
関西方面へ旅行の際は是非立ち寄られてはどうだろうか?建物等の方法を用いてデザインされたそもそもの目的が垣間見られるはずである。
今後どのように動いていくのかが楽しみなプロジェクトである。

ホヅプロ(穂積製材所プロジェクト)
Studio-Lのホヅプロ紹介ページ

都市を作る住宅からマチを作る住宅へ

「都市」と「マチ」、これらの言葉が持っているイメージは大きく違う。

「都市」は半ば専門用語であるとも言え、その言葉から思い起こすのは高層ビルが立ち並び、様々な色のネオンが光ったメトロポリスであり、ほとんどが建築から構成されたイメージである(多少大げさかもしれないが、画像検索で出てくるイメージはそのようなものがほとんどである)。
「マチ」はより一般的な言葉で、商店街や住宅地の路地のような、建築よりも、店の看板や電柱、標識、街路樹などの建築以外の要素が前景化したイメージを思い起こさせる。

「マチ」は建築だけでなく、それ以外の多くの要素から出来ている。区画整理で取り残された細長いアンバランスな小屋や、店先に出たベンチとテーブル、のれん、看板・庇、ポスト、信号、トラフィックペイント、樹木、花壇、カラーコーン、自動販売機、屋台など。
これらの、これまで建築設計の対象に置かれてこなかった建築未満の要素のデザインや機能を取り入れることで、新しい働きを持った併用住宅を作れないかと考えた。このような方法は、マチに溢れる楽しさを住宅に取り入れるだけでなく、これまで建築が扱えなかったことを扱う方法足り得るのではないだろうか。


広場を中心に住宅が点在し、一部には周辺住民が休憩するカフェやゲストハウスなども混ざった、海の見える郊外にある住宅地が敷地である。正面から。4つの屋根から出来ている。


この住宅が建てられる住宅地にも、多くの非建築要素が溢れている。階段+花壇、山はコンクリート製の鉢+ベンチ。


店先の軒が重なった路地のような休憩スペース。


梯子とイス、梯子と屋根、棚と柱など。

この住宅はBankART LifeⅢ「新・港村」の会場である新港ピアの中にある、郊外ゾーンで実際に建設される。実際に建設されるが、既にある大空間の中なので、防水・断熱等の建築的な技術は全く省かれた、言うならば1/1模型である。恐らく、見たことの無い風景が現れるはずである。


以下は、「BankART LifeⅢ 新・港村--小さな未来都市」の概要。是非ご覧ください。


新・港村とは:新・港村はあらゆる国と種類のクリエイターが働く蜃気楼のような小さな未来都市です。
村の家や図書館や劇場は、建築家やアーティストによってデザインされますが、主に廃材や粗大ゴミ等で構成されます。
新しい材料を使用した場合は、再利用します。そして外部からほとんど電気をいただきません。
太陽光発電と充電システム、また楽しみながらの人力発電でなんとかやっていきます。夜はLEDや行灯が灯ります。
新・港村は、東北と横浜の間を人や物資や知恵や力を積んで、何度も往来するためのプラットフォームです。
毎週でるバスが、東北人と新・港人をつなぎ、未来都市へと出航します。

会期:2011年8月6日(土)ー11月6日(日) 休館日=8月と9月の木曜日+10/13(木)+10/27(木)
時間:11:30-19:00(金曜の夜は21時まで)
会場:新港ピア(横浜市中区新港2-5)
主催:BankART1929 共催:横浜市文化観光局

セルフライナーノーツ

今回のプリズミックでの展示、壁面を埋めた250枚のA3図面と、床面に設置した花柄で展示経路を作るというインスタレーションのほか、テーブルに置かれた2D模型から構成されており、いわゆる、建築模型というものは1つも無い。



これまで、何度か建築展に参加することはあったが、その際は、周辺の建物をなるべく広範囲で入れるような縮尺1/20ぐらいの模型を展示してきた。

建築展のジレンマは、多くの建築家が自覚的でここで書くまでも無いのだが、その建築物を実際に展示することの不可能性にあるだろう。そのため、それに代わる何かを展示せざるを得ない。(昨今ではインスタレーションや小さいスケールのものを仮設で設計するという方法はあるが)
勿論、実物の代わりとして模型を展示するということが、最も有効な方法であるという実感はある。しかし、そこで表現出来ることは空間構成や光の入り方、快適さのイメージに偏り過ぎているのではないかという思いもある。

それは、自分が持つ多くの建築への違和感でもある(勿論、全てでは無い)。これまで建築の設計において、空間の快適さを扱う方法については多く考えられ、蓄積されてきた。

かつて、建築を作ることは都市を作ること、社会システムを作ることに繋がっていたが、今現在、その役割の多くは情報技術にとって代わられている。建築の社会からの期待値は随分と下がっているのではないか。
これからも、快適な空間を作ることは必要である。しかし、多くの社会問題、課題、新領域を扱うための方法は考えられなければならない。それは恐らく、快適さを作るための方法とは別種のものであろう。

このようなことから、今回は検討過程や様々なシミュレーションなども含めて展示できる図面を主とした展示を行った。(ちなみに、図面展といえば一時期はドローイング展などというものもあったが、パースはあるがドローイングは1つも無い。)




SPACESPACE展「パブリックジェネレーター」5/22(日)まで。残る週末は今週・来週のみ。お見逃し無く。

250枚の図面を1枚平均30秒で見ると2時間以上かかってしまうので、下記の作品解説(セルフライナーノーツのようなものです)を参考に、興味のあるものからどうぞ。



0205邑楽町役場庁舎
石庭では「どこからも必ず1つの石が見えない」というルールが設定されている。この提案では、ある距離を歩く間に全ての部屋を見ることが出来るというルールを与えた。施設を「使っている」という状況によって部屋が再組織化されて行く。(最終5案)。



0209パワープランニング
10の0乗~10の10乗まで10倍を繰り返した不連続な都市計画。都市の異なったスケールで成立している関係を連続して見ることは、不連続な都市と建築というフレーム間の関係をよりスムーズみ見せることを可能にし、中間的な都市を観測するフレームとなる。

0307安中環境アートフォーラム
高低差を生かし、隣接する雛壇造成地や遠景から続く棚田や段々畑等の田園風景とのランドスケープを構成する段地建築を、現代的な建築材料では無い「土」を型枠で作ることを提案。(20選)。

0407シリナシガワケイカク
生活と物流が川を介して繋がった地域で、水上バーに併設したアミューズメント施設の計画。川を跨ぐオフィス併設橋梁の他、空気圧で浮かぶ橋、台船を利用した住居・スポーツ施設、ドーナツ型の板を傘で川底にアンカーした施設等を提案。

0602美容室[a-del]
美容室の移転計画。違法に増床された上階の梁を、天井で覆い隠し秩序を作り直してしまうのでなく、椅子や家具の上部に、鉄骨の寸法・方向・間隔に沿いつつも、自由に選んだ「穴」を見い出した。

0610塩尻コミュニティコア
「太鼓橋」で外部から直接繋がった1.5階に「通り」を配置することで、施設の検索/遭遇可能性を上げることを提案。各施設は、これらの「通り」で仕切られ/住所を与えられつつも、カテゴリーを超えた路上のコラボレーションを行うことが可能になる。(最終5案)。



0611ロングトールハウス
行政からの指導により撤去することになった擁壁と住宅を繋ぎ、3.5mの高低差を埋めることで住宅街の構造的なメンテナンスを行うことで、より深層的な意味での住宅とその環境との連続性を確保した。地階は、支持層に至るまで2層にわたり、擁壁が作られる以前の地形をトレースすることになった。

0701ハナノサクミセ
アパレルショップの内装。フレームで作られた森に服や靴を掛ける。マネキン以外のものに服を展示することの可能性を提案。

0702パンダハウス
雨戸と網戸の取付方で窓のバリエーションを作り出す。パンダのような外観をした集合住宅。

0708アリノスハウス
扉の開閉を「壁が移動する」ことであると捉え、開閉の度に平面が変化するリフォームの提案。扉の位置(オン・オフ)により64通りの平面バリエーションが可能になる。部屋数、収納量などの設計条件を変数化する。

0801アゼコミュニティ
あぜ道と大屋根で作られる住宅地の風景。民法上、隣地際50cmの空間を各住戸から提供し、塀の代わりに1mのあぜ道を造る。あぜ道は、隣人とのコミュニケーションを生み出し、この住宅地における生活空間を豊かにする近隣関係のネットワークとして働く。(最優秀賞)。



0801ジュウバコノマチ
アパレルショップの内装。ビルのような外観を持った什器が作り出す街。各々は1つの軸を中心とした軌跡を描いて回転し、形の違うビルに変化していく。

0801テーブルピクニック
森をレストランに変える、木のように大きなテーブルと背の高いイス。各々のテーブルは通常テーブル高さの0.7M程度から、木の枝に留まった鳥の目線に近づく2.5Mまで断面的に変化し、周囲の木々や動物と様々な関係を結ぶ。

0802ぐんま総合情報センター
歩行者を情報センターに誘い込み、2階に至る人の流れを作り出す「通り」、通りに面した「カフェ」、2階の大きな開口部を介して銀座の街に開かれた「ホール」を提案。情報センターに人を呼び込むため、宣伝媒体を一般紙に広げる提案。(最終5案)。

0804Tビル
周囲には、多くの歩行者が往来するもほとんどの建物は敷地境界線近くに建てられ、人々が落ち着いて溜まる場所が無い。このような環境の中、建物本体と開口が開けられた壁との間に、公園のような公共スペースを作ることを提案。

0805ヒューマンスケープ
広場には、様々な用途を持ち形の違った小屋を作る。これらは、周囲に作られるカフェやコンビニの利用者にも使われ、賑わいのある「街並み」を駅前に作り出す。トラフィックペイントで地面に描かれた模様に沿って、人が並び、溜まり、歩き、行動することが、更なる模様を浮かび上がらせる。(最終5案)。

0807グリーンヒル
林間学校的イベントにおいて、寝る時間というのは、活動時間のほんの一部に過ぎない。むしろ、それ以外の時間に行われるプログラムや交流の全体を、「寝床」のデザインを通して再設計することを提案した。

0808中之島埠頭
大阪中之島の川沿いにある敷地での、レストラン、簡易宿泊所、水上美術館、水上プールなどからなる商業施設群の提案。「水都大阪」における、現在の生活に根付いた、川と一体になった都市の新しい景観を作り出す水辺空間を提案。

0901House of Arts and Culture
各々の施設が入った、4つのキャラクターを持ったボリュームをパサージュで結び、日陰を作り出す一繋がりの壁で梱包する提案。ボリュームと壁で囲われた屋外空間は、貸室から溢れた芸術・文化活動に使われ、新しい街並を作り出す。

0903Designing in Teheran
道路側の壁面に凹凸を付け、表面積を通常の3倍に増やした形状のビルを提案。3倍に増えた壁面は、広告スペースとして使われるほか、襞形状の煙突効果で発生させたビル風を当てることで空冷する際に、ラジエターのように機能する。

0906Museum of Polish History
歴史的な建造物や史跡が見渡せる公園内の敷地の中、それらへの視線と、現在は美術館として使われている城を展示巡回路に組み込むと同時に、戦前のマスタープランを蘇らせる。博物館の枠を超えた複合文化施設を提案。

1009地面と屋根上の家
賑やかさと繋がった生活空間を作るために道路と地続きになった、広間と丘以外に何も無い1階と、賑やかさから出来るだけ物理的な距離をとり、下階に太陽光を届けることを可能にするため、周囲の屋根より高くまで持ち上げられた2階からなる、木造2階建住宅。

1010磯山調剤薬局
ロードサイドに建つ調剤薬局。床面に書かれた花柄が、駐車位置と歩道等の敷地内交通を計画し、内部では店舗の客動線や従業員のオペレーションを誘導する。また、花柄にそのまま高さを与えた柱では、花柄が構造計算上の数字に置き換えられ、架構の問題に接続される。

1111Kアパートメント
大阪府内で進行中の集合住宅の計画。2011年11月末頃に竣工予定。階段と周囲の関係から出来るワンルームのバリエーション。

地面と屋根上の家

ちょっと前に竣工した住宅の話。

地面と屋根上の家

駅から近い住宅地、大通りから1区画中に入った角地に建つ住宅。敷地は北と東の2面で接道し、長手東側には、T字路と、暗渠化された水路を挟んだ青空駐車場が広がっている。路上には、店の看板や植木がハミ出して置かれ、立ち話も多く見られる古くからの住民が多い街で、独特の開放感がある。
また、隣地境界付近で用途地域が切り替わり、南側の隣地よりちょっとだけ高く建てられるという、「用途地域の谷間」の様な場所でもあった。

この様な環境の中、賑やかさと繋がった生活空間を作るために道路と地続きになった、広間と丘以外に何も無い1階と、賑やかさから出来るだけ物理的な距離をとり、下階に太陽光を届けることを可能にするため、周囲の屋根より高くまで持ち上げられた2階からなる、木造2階建住宅を設計した。



1階広間にある、カマクラ状の内部に浴室が配置された丘は、冬季に1階南側上部の大窓から取り込んだ太陽熱を蓄熱し、テレビを向いて座るとソファとして、窓を開け外側から座ると縁側として使える他、玄関からの目隠しとして機能し、物置き、子供達の遊び場にもなる様に、さまざまな生活デザインに開かれている。



2階にある寝室は、ベットが床仕上げと呼べる程度の大きさで、勉強や読書等の寝る以外の活動はホールで行われる。窓の外には、1階とは全く異なった屋根上の風景が広がっている。



この風・熱・生活・人・モノの動きを、1繋がりの住宅の働きに結びつけた空間は、木造2階建住宅としか呼びようの無い空間であるが、通常のそれとは随分と違った在り方をしている。それは、この空間にまだ名前が無いからの様な気がしている。


冬季には、屋根上に持ち上げられたスラブ下、1階南面上部に取り付けられた採光・集熱用大窓から取り込んだ太陽光を、コンクリートが隆起した丘で蓄熱する。
スラブ位置と丘の高さは、最も低い時期の太陽高度と隣の軒との関係で決まっている。蓄熱効果が得られない日や、季節によって太陽光が当たりにくい箇所が出来るのを補うためコンクリート丘と平場部には床暖房を埋設している。
夏季には電動ブラインドで遮光・遮熱し、窓との間に熱を溜め、その熱を2階床に開けられたスリットから屋根、北・南壁を2重壁とすることで確保された換気層を経て、2階窓上部から廃熱する。換気層は冬季には熱溜となり、給気口から室内に暖気を取り入れる。



丘カバーは、コンクリートの蓄冷リスク・床暖房の立ち上がりの遅さへの対策として、丘とセットで設計された。通常ソファに使用される生地を2枚重ねで縫製し、クッション部にはウレタンを挟み込むことで断熱性と耐久性を向上させている。丘の3次曲面には、立体裁断によらず平面形状によって追従させる方法を採った。
図面と模型による設計を行い、最終的には型用の布で採寸してから製作を行った。カバーに付けられたポケットは携帯電話、各種リモコン、新聞等の収納として使われ、足りなくなった場合は容易に増設可能である。



この住宅、新建築4月号に掲載されるので、詳しくはそちらで。ご批評お待ちしております。

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