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鵜住居の合掌 episode final

皆さま こんにちは。垣内です。


10月24日。
私たちは鵜住居の方のご協力を得て、土を耕し植物の種をまき、残された基礎に鎮魂の意を込めて合掌の屋根を架けた。
震災から1年が経つ春には、合掌小屋を満開の花が包み込む。ここに訪れた人や、これを見た人々の手によって、このささやかな行為が各地に広がり、残された基礎の上に新たな風景が咲くことを私たちは願っている。











「鵜住居の合掌」は、新建築12月号に掲載されておりますので、そちらの方も是非ご覧ください.。


合掌の小屋:垣内光司 + 辻工務店+ ボランティア
基礎の花壇:宮本佳明 + 大阪市立大学宮本研究室 + ボランティア

事業主体:関西建築家ボランティア
助成:日本財団ROADプロジェクト「東北地方太平洋沖地震災害にかかる支援活動助成」

鵜住居の合掌 episode4

皆さま こんにちは。垣内です。


被災地の夜は本当に暗いです。


episode4:「小さくて、シンプルな建築行為。その3」



17時36分:庇が付いた頃には、辺りは真っ暗。まだ街灯すらありません。
灯光器1つと車のライトで照らしながらの作業となりました。



17時57分:屋根に杉板を貼っていきます。



18時01分:陰影が美しいです。



18時37分:最後は、棟に笠木をのせます。



19時02分:漆黒の闇に建ち上がりました。



episode finalへつづく・・・。


「鵜住居の合掌」は、新建築12月号に掲載されておりますので、そちらの方も是非ご覧ください。

鵜住居の合掌 episode3

皆さま こんにちは。垣内です。



近頃、思います。

その場、その時、考え、点でやってきたことが、つながってきたんじゃないか。


まだ、すごく短い線ですが。



episode3:「小さくて、シンプルな建築行為。その2」



11時27分:合掌建設の隣では、大阪市立大学宮本研究室+ボランティアの諸君たちも花壇作製に励んでおります。
青色のユニフォームは、花壇部のユニフォームではありません。前日、茨木県にてA-CUP(建築業界最大のサッカーイベント)が開催されており、閉会後その足で釜石まで駆けつけてくれました!疲労困憊の中、黙々と作業してくれました。



11時29分:合掌のさす(斜柱)は300㎜ピッチで立てました。




-昼食休憩など-






15時13分:合掌のさす(斜柱)にタイビーム(開き止めの梁)取り付けます。
ビスや金物ではなく、丸穴を開けて、込栓で留めたことで少し手間取りました・・・。



15時28分:episode2からチラホラとデニムのツナギが登場していますが・・・
皆さん、見覚えないでしょうか?そうです。彼です。
今回のプロジェクトには、「Do It Yourself」の彼も参加してくれました!
鉄骨階段を解体したグラインダーで、基礎に残った鉄製の土台やスタッドを撤去中。
自邸の町屋改修で獲得したスキルを被災地でも見事に発揮してくれました!



16時15分:合掌の軸組が建ち上がりました。とても美しかったです。



episode4へつづく・・・。



「鵜住居の合掌」は、新建築12月号に掲載されておりますので、そちらの方も是非ご覧ください。

鵜住居の合掌 episode2

皆さま こんにちは。垣内です。


8月。小さな建築のスタディ展に出展した「シンプルな建築行為。基礎花壇にそえて」の提案を恩師である宮本佳明さんにご覧頂きました。そして恩師のご尽力により、関西建築家ボランティアの支援を受けて、基礎の花壇と共に合掌小屋を建設することになりました。

「被災地でこんなプロジェクトをやろうとしている。無理しない程度に協力してくれないか?」と京都の友人や大工さんたちに話しをしました。
「垣内、これは無理してでもやるプロジェクトとちがうのか?」と快諾してくれました。

だた、宝来館の周りには既に多くのプロジェクトが計画されていることや、宝来館の女将さんの「こうした活動は、広く多くの人たちに知って欲しい。」とのご意向とご協力により、建設地を鵜住居の町のほうへ移すことになりました。

多くのご支援やご協力を得て、10月24日に建設が決まりました。
しかし建設地は当日まで未定でした。

現地に行くまで分らない基礎の間口には、合掌の角度で対応し、奥行きを調整することで、建築の規模を建築確認申請が必要とされない10㎡以下に抑えることにし、材料を京都から持ち込みました。


episode2:「小さくて、シンプルな建築行為。その1」


9時44分:建設地到着。鵜住居にお住まいの方のご協力を得て、ご自宅の基礎を提供して頂きました。残されていた基礎は、ベタ基礎(基礎の内側は土ではなくコンクリート)でしたので、敷地内にある、いくつかの花壇スペースを改めて耕し、花壇を作製することになりました。
花壇部は、宮本佳明さん率いる大阪市立大学宮本研究室とボランティアの皆さんが作製してくれました。



10時04分:作業開始。基礎には鉄製の土台やスタッドが残っており、それらを撤去することから始めました。



11時04分:清掃後、既存の基礎にアンカーを打ち込み、土台を敷き、基礎の間口に応じて決まった角度のさす(斜柱)を建て始めました。



11時05分:この小ささなら、足場などの必要なく、脚立が2つあれば建設できます。



11時13分:前後のさす(斜柱)を棟木で繋ぎます。約7㎡の小さな空間があらわれました。


ここまで、約1時間半ほどです。


episode3へつづく・・・。


「鵜住居の合掌」は、新建築12月号に掲載されておりますので、そちらの方も是非ご覧ください。

鵜住居の合掌 episode1

皆さま ご無沙汰しております。垣内です。

あるきっかけと思いが、ひとつのカタチとなりましたので何回かに分けましてご紹介させて頂きます。


「津波によって家は流された。しかし、コンクリートの基礎だけは残っている。」

私は今、建築家・宮本佳明さんをはじめとする多くのボランティアと共に、
残された基礎を花壇に見立てて植物の種をまき、その周りに人々が集える場所づくりをするプロジェクトに
参加しています。

7月末に岩手県釜石の根浜海岸沿いにある旅館・宝来館の隣に基礎の花壇を作り、
椅子を並べ、パラソルを立てました。

その際、家を失くされた人たちが残った基礎を眺めて立ち話をするを見て、
ここに小さな建築でもあれば、
過去や現在、そして未来について語り合える場が出来るのではないかと思いました。

私は、この思いを8月に開催された3.11以後の建築の可能性を考える展覧会「小さな建築のスタディ展」にて
「シンプルな建築行為。基礎花壇にそえて」と題し、基礎の花壇に小さな建築をそえるプロジェクトとして
発表しました。


「シンプルな建築行為。基礎花壇にそえて」
残った基礎の間口に応じた勾配の合掌フレームを並べて小屋を作り、基礎の花壇にそえる。
誰もが比較的容易に建築できる小さくてシンプルな構成とし、
残された基礎の上に小さな建築行為(DIY)を誘発させよう。
建築物だけでなく、建築という行為そのものが、その場所の記憶や時間を紡いでいく可能性を提案しました。


そして10月末、多くの方のご支援やご協力によってこのプロジェクトが、
「鵜住居の合掌」として実現しました。



まずは、このプロジェクトのきっかけとなりました「基礎の花壇」をご覧ください。


episode1:「基礎の花壇」



7月末。残された布基礎(基礎の内側は土)の内側には瓦礫や岩などが残っており、
私たちは清掃からはじめ、次に塩を含んだ表土を取り除いていきました。
皆、汗をかき、それぞれの思いを込めて黙々と作業しました。




表土を撤去した後、基礎に新たに土を入れ、植物の種をまきました。
そして、リビングであったであろう残された床下地の上に椅子を並べ、パラソルを立てました。



8月末。基礎の花壇に水をあげ、管理してくださった方のおかげで葉も生茂りはじめました。



そして10月末には、たくさんの花が美しく咲き誇りました。



episode2へつづく・・・。


「鵜住居の合掌」は、新建築12月号に掲載されておりますので、そちらの方も是非ご覧ください。


DIY episode final : 竣工写真3/3

皆さま 三度こんにちは、垣内です。


このDIYプロジェクトは、いろいろなかたちで、反響がありました。

DIY episode を最後まで読んで頂きました皆様に感謝申し上げます。

ありがとうございました。



2階部屋1:将来は子供部屋になる予定。



2階部屋2:私からのご褒美。



2階部屋3:ご家族



土と石とコンクリート



外観:夕景



このプロジェクトは、新建築住宅特集6月号にも掲載されております。
そちらには詳細図面も掲載されておりますので、是非ご覧頂ければと思います。

同じく、住宅特集7月号にて、
建築家、前田圭介さんによるエッセイ「ストックの再生に向けて」のなかでも
本プロジェクトを取上げて頂いておりますので、そちらも是非ご一読ください。

また、住宅特集8月号の「近作を訪ねて」にも選出して頂いております。
訪問者は、建築家の前田圭介さんです。そちらも是非ご一読ください。

DIY episode final : 竣工写真2/3


皆さま 再びこんにちは、垣内です。

つづきをどうぞ。



寝室1:補強フレームが入る。



寝室2



居間1



居間2



居間3:裏庭を見る


DIY episode final:竣工写真3/3へつづく・・・。

このプロジェクトは、新建築住宅特集6月号にも掲載されております。
そちらには詳細図面も掲載されておりますので、是非ご覧頂ければと思います。

同じく、住宅特集7月号にて、
建築家、前田圭介さんによるエッセイ「ストックの再生に向けて」のなかでも
本プロジェクトを取上げて頂いておりますので、そちらも是非ご一読ください。

また、住宅特集8月号の「近作を訪ねて」にも選出して頂いております。
訪問者は、建築家の前田圭介さんです。そちらも是非ご一読ください。

DIY episode final : 竣工写真1/3

皆さま こんにちは、垣内です。


この「Do It Yourself」は、祖父が残した築100年の京町屋を
電動ノコギリすら、まともに持ったことのない建築の素人が、
プロにレクチャーを受けながらも自らの手で耐震改修したDIYプロジェクトです。

傾いた家に補強フレームを挿入したことで得る、安全性の向上は当然ながらも、
しかし何より、このDIYプロセスを経た彼自身が、最も自身の家を知る人間となり、
生活の変化やメンテナンスに自身で対応できる知識と技術を獲得した事以上の
安心感は他にはない。


私は、このプロジェクトを通して、いろいろなことを考えさせられま​した。

小さな差異を競う建築デザインとは違う、建築への​アプローチ。

建築物そのものだけでなく、シンプルな技術の伝播が、
その場所の記憶や時間を紡いでいくことの可能性。

本当の意味で、人に建築をひらいていくヒントが、ここにあるのではないかと感じています。


このプロジェクトに携わって頂きました皆様にこの場を借りまして、感謝申上げます。

そして、何より友人である彼に、「本当によくやった」と言ってやりたい。

私自身にとっても、大変貴重なプロジェクトとなりました。


ありがとうございました。


では、彼の8ヶ月間の集大成をご覧下さい。

どうぞ。


DIY episode final : 竣工写真1/3



外観



玄関:コンクリート土間に廃材の半畳を敷いて玄関とした。右手の座敷は寝室。



通り土間:鉄板階段の踏板も廃材。天井には煙り出しのトップライト、奥は浴場。



浴場から洗面・脱衣場、玄関方向を見る:玄関扉、壁板は全て廃材。
浴場のRC壁は、下腹部への接触を避けるためにテーパーがつけられている。(真面目な話)



台所と口型補強フレーム越しに寝室を見る:遊廓のような襖の赤がまぶしい・・・。




DIY episode final:竣工写真2/3へつづく・・・。



このプロジェクトは、新建築住宅特集6月号にも掲載されております。
そちらには詳細図面も掲載されておりますので、是非ご覧頂ければと思います。

同じく、住宅特集7月号にて、
建築家、前田圭介さんによるエッセイ「ストックの再生に向けて」のなかでも
本プロジェクトを取上げて頂いておりますので、そちらも是非ご一読ください。

また、住宅特集8月号の「近作を訪ねて」にも選出して頂いております。
訪問者は、建築家の前田圭介さんです。そちらも是非ご一読ください。

DIY episode9:廃材という資源

皆さま こんにちは、垣内です。


彼は、町屋の自力解体を通して、物は壊れ、朽ちることを体感した。

アルミの玄関ドア、サッシ、屋外用ユニットバスの構造フレーム
鉄製の物干し台、ネットフェンス、ガス管や室外機など・・・

彼は、解体で排出した金属類のすべてをスクラップ工場へ持ち込み、売却し、
改修資金に還元したことで、廃材が資源であることを実感した。

彼は、新たに資材を購入するだけでなく、壊れたものは補修し、
廃材を再利用するという選択肢を得た。

そして彼は、協力工務店より、他の現場で排出された廃材を提供してもらうことに。


DIY episode9:廃材という資源


工務店の加工場に積上げられた廃材。
長年、大工さんが、いずれ使えるときがあるのではないかとストックしていたそうだ。
彼は、3日間かけて改修で使用できる材厚・材長等を吟味し、廃材の山から資材を選択した。



再生した厠(外便所)
屋根と軸組そして便器だけを残して解体し、その後、廃材で厠を再生。
木製出窓は、既存家具の扉+廃ガラスを再利用して引違い窓に改造。



厠の内部
内装もすべて廃材。唯一のルールは、縦目地のラインは揃えて廃材を貼ること。
FIXガラス部は、既存のアルミ玄関ドアのガラスを転用した。



廃材の格子と玄関ドア
廃材の格子の見付け(幅)は太くても30ミリ程度、
細い廃材が並ぶ姿は大胆かつ繊細で、京都らしさすら感じる。
(近所の知らないおばあちゃんが「京風やぁ」と格子を撫でていったから、間違いない。)

踏み石は、染色職人の彼がコンクリートに染料を混ぜて打設し、金ゴテで仕上げた。
(良い感じと、いろいろな方にお褒め頂くが、雨の日には染料がにじみでる・・・。おしい!)

厠の壁と同様に、廃材板の縦目地をだけを揃えて貼るルールで作製した玄関ドア。
彼待望の真鍮のドアノブは、近所の金物屋で入手。
今も尚、インターホンはおろか、呼び鈴すらない為、ご用の方は大声で叫ぶしかない。
彼は現在、ライオンヘッドのドアノッカーを取付けるか思案中・・・。





ライオン・ヘッド
先日、彼から「売ってた~」と喜びの写メールが・・・。


私:「ちと、アニメ顔すぎねぇか・・・。」


現在のところ、玄関扉にライオンヘッドが付いてるかは不明。



DIY episode finalへつづく・・・。



このプロジェクトは、新建築住宅特集6月号にも掲載されております。
そちらには詳細図面も掲載されておりますので、是非ご覧頂ければと思います。

同じく、住宅特集7月号にて、
建築家、前田圭介さんによるエッセイ「ストックの再生に向けて」のなかでも
本プロジェクトを取上げて頂いておりますので、そちらも是非ご一読ください。

DIY episode8:内装等(後編)

皆さま ふたたび、こんにちは、垣内です。



ポリエステル・ジョーゼットを押しピンで留める。
こま切れの天井をカバーしつつも、黒くなった既存の母屋だけが、うっすらと透け、
なおかつ、解体によって出来た吹抜けの上昇感、新たな空気の流れを可視化し、
さらに、築100年のアンティークさを補完してくれるエレガントなもの。
軽くて、ひとりで取付け調整が出来る「布」を天井の仕上げとして選択した。
(彼がテキスタイル職人ということも、一応採用理由です。)



廃材の節穴。
工務店から提供してもらった廃材には、節穴があり、それを厠(外部便所)の壁に
使用した。だから、下地が見えている。


埋め鳥。
節穴を隠すのではなく、節穴の見方そのもの変えてみる。
彼に黙って、私の家にあった、おまけの鳥をそっと入れて帰った。
「便所に小鳥、棲んでるやんけ!」と彼からメールが・・・。


終盤、2階の床板を貼る。
既存の畳を撤去して、ホームセンターの根太を敷き、構造用合板を下地にして
ネット購入のナラフローリングを貼った。
二重床にして電気配線スペースを確保している。

いつの間にか、彼の腰には大工証し「腰袋」が・・・。
そして、ついに後光が!?


彼「makitaのラジオをどう思う?」

私「いらんやろ!」


※makita:現場では見ない日はない、工具の一流メーカー。



DIY episode9へつづく・・・。



このプロジェクトは、新建築住宅特集6月号にも掲載されております。
そちらには詳細図面も掲載されておりますので、是非ご覧頂ければと思います。



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