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建築構成学 出版

建築構成学-建築デザインの方法- という本が出版されました。



私も著者のひとりとして作った建築意匠の教科書です。
空間の組み立て方やまとめ方という「構成」の視点から、
住宅、集合住宅、公共施設、複合施設、都市空間などの様々な事例を取り上げ、
建築のデザインの方法を解説しています。

室、架構、ヴォリューム、外部空間、周辺環境、建物の集合などの、
建築の部分をどのように組み立てて全体をつくるかという「構成」の考え方を通して、
現代建築に固有な「タイポロジー」(タイプ、類型)を体系的に捉えています。

建築構成学-建築デザインの方法-

著: 坂本一成、塚本由晴、岩岡竜夫、小川次郎、
   中井邦夫、足立真、寺内美紀子、美濃部幸郎、安森亮雄
2012年03月30日発行
ISBN:978-4-407-32572-0
定価:2,520円(本体:2,400円)


目次
chapter1 建築構成学原論
 1 構成とは何か
 2 分節と統合、部分と全体
 3 建築の空間構成のタイプ
 4 多様な構成形式

chapter2 室と架構による住宅の構成
 1 室による住宅
 2 「建築化された外部」による住宅
 3 空間の分割による住宅
 4 架構による住宅

chapter3 室群とヴォリュームによる建築の構成
 1 室群による建築と用途
 2 動線による室の接続
 3 用途の複合とヴォリューム/庁舎建築
 4 ヴォリュームによる外形構成/公共文化施設
 5 立地環境とヴォリューム/博物館建築
 6 単位の反復による集合形式/集合住宅1
 7 単位の反復による立面構成/集合住宅2

chapter4 建築による外部空間の構成
 1 「配置による外部」と「建築化された外部」
 2 建物に包含された外部
 3 地形と建物外形による外部

chapter5 建築の配列による構成
 1 ヴォリュームの配列による統合
 2 敷地全体における建築の統合
 3 周辺環境と建築の統合

chapter6 建物の集合による都市空間の構成
 1 建物に囲まれた空地の構成
 2 交差点における空地の構成
 3 駅前における空地の構成
付録 索引

西沢立衛氏 講演会

西沢立衛氏の講演会が開催されます。
学生主催による宇都宮大学の大学祭のイベントです。

宇都宮大学 工学部建設学科建築学コース 第29回建築展
2011 建築家 講演会

西沢立衛氏「近作について」

日時  :2011年11月19日(土)
     講演会  14:00~15:30 (受付 13:30~)
     質疑応答 15:30~16:00
会場  :宇都宮大学 陽東キャンパス アカデミアホール
     栃木県宇都宮市陽東7-1-2
駐車場 :宇都宮大学 陽東キャンパス グラウンド横(9:00~18:00 解放)
アクセス:宇都宮駅より車で10分/宇都宮大学 峰キャンパスより車で3分・徒歩15分
     http://www.utsunomiya-u.ac.jp/map/map01.html
お問合せ:ya27584@wd5.so-net.ne.jp(矢内)

大谷石研究会(シンポジウム・見学会)

大谷石研究会のシンポジウムと見学会が行われます。
宇都宮市は大谷石の産地であり、大谷地区の採石場や大谷石の建物など、
魅力的な場所がたくさんあります。
宇都宮大学安森研究室も、石蔵の増改築の調査と活用方法のプロジェクトを発表します。





NPO法人 大谷石研究会 創立10周年記念 “未来に響け「石の声」”
・開催日 :平成23年9月24日(土)
・会場  :城山地区市民センター(栃木県宇都宮市大谷町1059-5, TEL/028-652-4794)
・ホームページ: http://www.ooyaishi.jp


■日程
・午前の部
 10:00-12:00
 知られざる大谷の魅力 再発見・大谷地区散策
(大谷地区散策・散策マップ等を城山地区市民センター駐車場にて配布します)

・午後の部
 13:00-16:30 大谷石・過去-現在-未来 ・ディスカッション
 13:00-13:15 記念式典:大谷石研究会10年の歩み
            (理事長挨拶)
 13:15-14:30 第1部 :大谷石の魅力・過去-現在
            (パネルディスカッション)
 14:45-16:20 第2部 :大学生が語る大谷の魅力とその未来
            (学生の提案に対する質疑・応答+ディスカッション)
 16:20-16:30 閉会

■パネラー・発表者紹介
・第1部パネラー
 1)小西敏正:建築家  宇都宮大学名誉教授/テーマ:大谷石と大谷石建築の魅力
 2)岡田義治:建築史家 宇都宮日建工科専門学校校長/テーマ:大谷石と建築家
 3)更田邦彦:建築家  東海大学非常勤講師/テーマ:旧大谷公会堂の調査報告と今後の展望
・第2部発表者
 1)高橋卓:(有)高橋佑知商店専務 /テーマ:大谷石の新しい利用方法と新工法
 2)東海大学大学院生 /テーマ:大谷地区の魅力と問題点・再活性化のポイント
 3)宇都宮大学大学院生(安森亮雄研究室)/テーマ:石蔵の増改築調査とまちの魅力の創造

■採石場の竪坑見学のご案内(申し込みが必要です)
・見学時間帯:午前の部 10:00-12:00(9月24日 当日のみ)
・見学場所(城山地区センター駐車場にて案内図配布)
 1.大谷石産業株式会社採掘場「石の里 希望」
   ヘルメットを着用の上、竪坑下まで降りられます。(事故の補償はいたしかねます)

   竪坑を降りる際の注意事項
   1)必ずヘルメットを着用のこと。
    (ヘルメットはご用意しますが数に限りがありますので、
     一度に降りる人数の調整をいたします)
   2)滑りにくい靴底の靴を履いて降りること。
   3)石の成分を含んだ滴が上から落ちるので、汚れてもよい服装で降りるかカッパ等羽織るものを用意すること。

 2.(有)池田緑商店採掘場
   竪坑の上から竪坑下を見るのみ(竪坑下へ降りることはできません)

・申込先:大谷石研究会事務局 tel/090-3147-1521(高橋)9月23日まで受付
 (当日は、城山地区市民センター駐車場にて、11:00amまで受付けます)

広州(3)城中村の行方

今号はアジア特集ということで、以前にレポートした中国の「城中村」の行方を報告する。
中国では、都市と農村が、土地所有や戸籍などの制度上分離されてきた(城郷二元制度)。そのため、都市の急速なスプロールに農村が飲み込まれた「城中村」(都市の中の村)が形成されている。
広州には138の城中村があり、現在、再開発と整備の対象となっている。主に都市中心部で環境が悪化している村は、クリアランスして再開発される。また、都市外縁部に立地していたり、比較的環境のよい村は、そのまま活かして整備する方針となっている。


写真は、広州の城中村の再開発第1号として、クリアランスされた猟徳村。一時的に都市のタブラ・ラサ(白紙状態)が出現している。奥に広州タワーが見える。




その隣ではすでに高層マンションが建設されている。こうした建築プロセスでは、農村の共同体がそのまま機能し、村民委員会という組織がディベッロパーへ変身を遂げている。村民たちは新居を手にするとともに、不動産収入が分配される仕組みである。




爆竹を鳴らして行進する結婚式の行列。こうしたマンションの新規居住者には、新たな富裕層が多い。




マンションの各棟の足下には、中国の農村の路地によくみられるゲートが設置されている。「…楼」という棟の名前も、かつての路地の名前を踏襲している。かつて農村であった記憶を、記号として留めている。




ディヴェロッパーとなった農村共同体は、マンション建設だけでなく、商業ビルや工場なども建設している。写真は、電気街として発達し、広州の秋葉原と言われる石牌村。




城中村は中国で生成する21世紀のアーバニズムの一形態である。
現在、城中村は中国の都市問題となっており、広州アジア大会などの国家的イベントを機に、まずは目先の問題の解決が急がれてきた。しかし長期的なスパンに立てば、農村で受け継がれたオープンスペースを活かして整備することも考えられる。そうすれば、中国の都市は、将来、内部に高密度な路地と緑の村が点在する、持続的でユニークな都市空間として発展する可能性も秘めているのかもしれない。
今後は、整備対象となっている村を中心に、これからの方向性を探るためのリサーチをする予定である。

UUプラザ(校舎改修)

私たち安森研究室が改修設計をした、宇都宮大学UUプラザ(Utsunomiya University Plaza)が完成しました。

この建物は、もともと生協食堂として建てられた築40年の校舎(鉄骨造2階建)です。幾度かの改修や耐震補強を経て、最近は事務室と公開講座の教室として使われていました。この校舎を、大学と地域・社会の接点となる場所につくり変えるためにリノベーションしました。


1階には、カウンターを介して、インフォメーションのフロアと企画広報の事務室が入っています。




建物はすでに耐震補強が行われており、既存の耐震ブレースがありました。こうした既存の要素を、隠さず、目立たせすぎず、時間の流れを受け継ぐ形で扱っています。既存ブレースに沿って、カウンターやパンフレット棚と一体となった木材の間仕切りを設け、事務室を入れ子状にコーナー化し、開放的な内部空間を作っています。




正面ファサード。徐々に付け加えられてきた銀行ATMや自販機コーナーがあったため、これらを栃木県特産の大谷石(おおやいし)で覆い、ボックス状の要素としました。また庇と基壇を張り出すことで、大学正門からの導入部となるファサードを形成しています。オープニングの週には、音楽サークルが演奏するステージになり、定期的に農学部の農産物販売なども行われています。




南側のフランス式庭園との関係。今回付け替えた外部階段により、庭園を望む2階テラスにアクセスします。外壁は塗装を含めて既存のまま残っており、今後は2期計画として、庭園に面した外構や外壁を整備する予定です。




2階は、学内と地域に貸し出されるコミュニティ・フロアとなっています。
下段の写真は改修前の状態。1階は事務室と講義室、2階は片廊下に面する研究室でした。どちらのフロアも基本的にワンルーム化し、外部まで見通しの良い開放的な空間になりました。




日本の大学キャンパスには、まだまだ閉鎖的なものも多いですが、今後の少子化、都市縮小の時代を考えると、地域の人々も利用できる都市空間の一部になっていくことが求められるでしょう。
大学の建物のみならず、こうした敷地内外をつなぐ媒介空間(インターフェース)を構築していくことが、今後の重要な設計テーマだと考えています。


設計:宇都宮大学安森亮雄研究室+SuperSketch
総括:宇都宮大学施設課

藤村龍至氏 講演会

宇都宮大学にて、藤村龍至氏の講演会を開催します。
聴講自由ですので、お近くでご興味のある方などぜひご参加ください。

宇都宮大学工学部建設学科・建築学コース ゲストレクチャー
ゲスト講師
藤村 龍至 氏「ARCHITECT 2.0」
東洋大学理工学部建築学科専任講師、藤村龍至建築設計事務所代表

日時  :2011年7月15日(金)13:00〜14:30
場所  :宇都宮大学 陽東キャンパス アカデミアホール
     栃木県宇都宮市陽東7-1-2
お問合せ:宇都宮大学 安森亮雄研究室(TEL 028-689-6185)

宇都宮大学アクセスマップ(陽東キャンパス)
http://www.utsunomiya-u.ac.jp/map/map01.html

講演会終了後、藤村氏をゲストクリティークに迎え、3年生の設計製図講評会を行います。




避難所の簡易間仕切り設置

東日本大震災への支援として、坂茂さんが各地の避難所で簡易間仕切りの設置を進めています。現地の大学と協力する形で進行しており、宇都宮大学は栃木県での展開に協力しています。

体育館や学校などの避難所では、大空間に多くの方々が同居するためプライバシーの確保が問題となっています。これまで宇都宮市では3カ所の避難所で、坂茂建築設計・慶応義塾大学・宇都宮大学の学生ボランティアにより、簡易間仕切りを設置しました。

紙管の加工の様子



建て方の様子



避難所全景(宇都宮市姿川生涯学習センター、写真:坂茂建築設計)



詳細はこちらのサイトをご覧ください。
坂茂建築設計 http://www.shigerubanarchitects.com
asahi.com http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104060260.html
(建築家、震災で動く プライバシー+対話の空間を提案 4月6日)



卒論 2010

今年の卒業式は、例年より規模を縮小して行われました。
安森研究室2年目の卒業論文6編を、簡単にご紹介します。

 **

■増改築された大谷石蔵の構成
~宇都宮市中心部における大谷石蔵の増改築に関する研究 その1~ (佐藤綾美)
宇都宮市に多く残る大谷石蔵のリサーチ。まずは蔵の増改築について。
「物」を収納するための空間を、「人」が活動する空間に変容させるために、
蔵がどのように再構成されているか。

■増改築された大谷石蔵を持つ屋敷の構成
~宇都宮市中心部における大谷石蔵の増改築に関する研究 その2~ (小野村一弥)
蔵は、母屋、外部空間と一体となって「屋敷」を形づくっている。
蔵を含む敷地全体が、都市空間にどのように接続しているか。




■アリソン・アンド・ピーター・スミッソンの増改築作品の空間構成 (佐原謙介)
スミッソン夫妻の作品研究は、昨年から継続するテーマ。
図面を読み解く中で、彼らの空間構成は「時間の表現」をもとにしていることが分かった。
1950年代の建築はモダニズムの反省から出発し、現代につながっている。


(写真出典:A&P Smithson, from the House of the Future to a house of today)


■環境設備と建築部位の関係による住宅の空間構成 (佐々木啓輔)
低炭素社会が本格的に到来し、住宅でもエコな環境に配慮したデザインが増えてきた。
環境設備と従来の建築部位をどう関係づけるか、テクノロジーとデザインの融合がテーマ。
2000年以降の建築家の住宅作品の分析。




■大学建築における通過動線による空間の接続 (中村周)
研究室でキャンパス計画に携わる中で、デザインの可能性を探りたい動機からはじめた研究。
大学建築は様々な方向からアクセスでき、通過動線をもつ特徴がある。
建物内外のネットワークをどうつくるか、海外の大学建築作品を対象に分析。




■城中村の形成過程における法規制と空間構成 ~中国広州市の事例~ (藤澤悟)
このブログで紹介した中国の「城中村」の研究。
今年は中国の土地政策の変遷を調べた上で、3つの村の現在と過去の空間構成を検証した。



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安森研究室では、様々なテーマで議論しながら、デザインの論理を探っています。
建築学会大会(8月23日~25日@早稲田大学)でも発表しますので、
ご興味の方は聞きにきてください。

卒業設計・修士設計展

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このたびの震災により被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
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2010年度 宇都宮大学 修士設計・卒業設計展示会
Utsunomiya University Diploma Design 2010

2011年3月18日(金)〜21日(月)10:00〜17:00
宇都宮大学 峰キャンパス 峰ヶ丘講堂
ポスターセッション 21日10:00〜
アクセス http://www.utsunomiya-u.ac.jp/map/map01.html

同時展示
宇都宮大学個性化プロジェクト・建築学コース
「とちぎサスティナブル住宅チャレンジ2030
 持続可能な低炭素型コミュニティの形成と次世代住宅モデルの開発と普及」





会場の峰ヶ丘講堂(大正13年築)

広州(2)城中村

広州のリサーチの続報。
城中村(じょうちゅうそん、Village in City) について報告する。
宇都宮大学で農村計画が専門の三橋伸夫教授、広州大学出身で博士課程の黎庶旌君との共同研究である。

中国の都市では、市街地が急速に拡大したため、農村が市街地に取り込まれた「城中村」(都市の中の村)が存在する。農業をやめた農民が、自宅を高層化し賃貸アパートを建設した。写真のように、隙間なくペンシルビルが林立している。都市に住む農民たちは、農業から不動産業へと生業を変えた訳である。




広州などの中国沿岸部の都市では、急速な経済発展により山間部から出稼ぎ労働者が流入し、住宅需要が高まった。農民が農地を失ったことと、都市への流入人口の増加が、城中村の成立要因である。写真はその一例の黄辺村。このようにゲートがある場合が多い。家主の農民は最上階に住んでいる。




城中村の内部では、旧来の農村集落の路地を残したまま、建物が高層化したため、写真のような一種独特な路地空間が成立している。2階以上はキャンチレバーが違法に張り出し、わずかな光が差し込む。




こうした路地空間は生活動線となっている。場所によっては商店街のように活気のあるところもある。昨年度は、こうした路地と建物の関係、路地のネットワークについてリサーチした。




農村の空間構造を残しているため、昔からの共同施設も残っている。先祖を祭る中庭形式の建物が集会所をかねている場合が多い。




こうした状況の背景には、中国において、都市の土地は国有、農村の土地は農民所有、という土地政策がとられてきた経緯が関係している。ちなみに、中国では戸籍も都市住民と農民に分かれており、都市と農村という一国二制度が成り立っている。
これによって、城中村の農民と農村共同体は、都市で土地を所有する希有な存在となり、ディベロッパーへと変身した。その結果、農村集落の構造を残しながら都市の中で高密度化した「城中村」が成立している。

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