June 2010特集「WEB世代から今、生まれつつあるもの」

Magazine

特集:WEB世代から今、生まれつつあるもの

Introduction:藤村龍至
「2010年に描かれる情報と空間の関係」
私たちが生きる2010年代の社会では、情報技術の本格的な実装に伴って、建築にもアートにも、新たな表現の試みが現れ始めている。情報インフラが私たちの日常に深く浸透した現在、互いに隣接する音楽やアート、社会学や情報処理技術などの諸分野で生まれつつある、新たなアウトプットのあり方とは。
Cover Interview:渋谷慶一郎
「CDというメディアの葬送——ATAKの実験と変容」
CDからデータ配信へ、メディアが移行しつつある音楽の領域では、マーケットの存在が揺れている。自らCDレーベルATAKを立ち上げ活動する音楽家、渋谷慶一郎氏は、CDはアナログからデジタルへ移行する際の過渡期のメディアであり、それゆえその「葬送」に立ち会うことになったという。一連のプロジェクトからみえてきたメディアと作家の今日的関係とは。
Interview:梅沢和木
「『ニコ動』になくてここにあるもの——メガサイズの作品が意味すること」
WEB上から集められた大量の画像から再構成される梅沢氏の巨大な絵画作品は、アニメやニコニコ動画にみられる感覚(彼はしばしばそれを「神」と呼ぶ)を描こうと試行錯誤する過程で生まれてきたという。「カオスラウンジ」での試みを経て、「破滅ラウンジ」というエクストリームへと突き抜けた今、生まれつつある創作のコンセプトとは。
Text:南後由和
「『集合知型リサーチ』という試み」
かつて1960年代の都市リサーチは、統計のビジュアリゼーションであった。1990年代後半のデジカメの普及は、70年代以降の路上観察的リサーチをよりカジュアルにした。今現れつつあるのは、こうしたマクロ/ミクロ的アプローチを超える第3の道としてのWEB上での検索技術を用いた都市リサーチである。
Mail Dialogue:李明喜[matt]
「空間を考える——情報と物質のあいだ」
コンピュータサイエンス、webテクノロジーと空間デザインを統合し、新しいデザイン手法を開発・研究する「ping pong project」は、単なるデザイン手法の提示だけでなく、「空間」の捉え方そのものを書き換えようとする。WEBの複雑なネットワークを、そのダイナミクスも含めて現実世界に変換させようとする。pingpongプロジェクトは、新しい時代の コミュニケーション理論であり、ネットと現実の間の変換ツールを提供する。